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日本vsオーストラリア 試合後の森保一監督会見要旨

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森保一監督

[10.12 W杯アジア最終予選 日本2-1オーストラリア 埼玉]

 日本代表は12日、カタールW杯アジア最終予選の第4戦でオーストラリア代表と対戦し、2-1で勝利した。

以下、試合後の森保一監督会見要旨

森保一監督
「オーストラリアは我々のグループでトップを走るチーム。簡単な戦いにはならないということを覚悟して臨みましたが、追いつかれる苦しい試合内容の中、選手たちが自分たちの力を信じて、そして応援してくださるサポーターの皆さんの声援を受けて、最後まで勝利を諦めず、自分たちが絶対にW杯に出るんだという気持ちを強く持って試合を戦い抜いてくれた。W杯への道はつながり、素晴らしい勝利となりましたが、これからまだまだ厳しい戦いが続く。きょうの勝利をまた次の試合の勝利につなげられるように、力を合わせて戦っていきたい」

——素晴らしい戦いだった。この4試合を振り返ると1試合ずつよくなっている。また1か月空くが、次の試合に対してどう持っていきたいか。
「W杯の最終予選は1試合1試合、いろんなことを確認しながら成長しながら戦ってこれていると思っている。結果はまだまだ2勝2敗ということで、厳しい状況は続いていますが、チームとしては内容の部分も上げてこれてると思っている。この4試合の戦いの中で敗戦をしたのがそれぞれの代表ウイークの初戦。そこはしっかり、次の11月の戦いに向けて初戦をどうやって勝っていくかということを、過去の敗戦を分析して結果につなげられるようにしないといけないと思います」

——田中、守田を起用して中盤の形を変えた。どういう狙いがあったのか?
「まずは2人の起用については、2人ともこれまでの代表活動、そして今回の代表活動の中でトレーニングでも非常に存在感のある取り組みをしてくれていた。守田に関しては直近のサウジアラビア戦に途中出場で非常にいいパフォーマンスを見せてくれていたので、まずは2人の調子を見て先発で起用しようと考えた。そして、形としては我々の良さを出すために、そして、その2人を使うことでどういう形が一番力が出るのかを考えながら、かつオーストラリアとのマッチアップを考えたときに我々のストロングポイントが出せるように、相手の良さを消せるようにということで。まずは2人のコンディションがよかった、そしてオーストラリアとのマッチアップを考えたときに、きょうの形が良いという判断をしました」

——試合後はスタンドのサポーターに声掛けを?
「まずは試合の応援をありがとうございましたということを、サポーターの皆さんに叫ばせていただきました。ほかには、きょう、このホームの戦いでスタジアムに入る前からサポーターの皆さんが出迎えてくれて選手を勇気付けてくれた。試合中も厳しい戦いでしたが、最後の最後まで選手が勇気を持って踏ん張って戦えたのはサポーターの皆さんの後押しがあってこそだと思ったので、サポーターの皆さんにお礼を伝えました。最後に、これからW杯の出場権をつかみ取るためにまだまだ厳しい戦いが続きますので一緒に戦ってください、そして、カタールのW杯に一緒に行きましょうという話をさせていただきました」

——きょうの試合に向けてのアプローチ。前の試合の課題が改善されていた。今までやってきたコンセプトを思い出したように見えた。
「仰られる通り、これまでのベースの積み上げがあったからこそ、きょうもオーストラリア戦に向けて準備を進められたと思う。選手たちもベースの部分を確認しながら、形が変わるところ、少し役割が変わるところをトレーニングの中から、そして、オフザピッチでも凄く密にコミュニケーションをとってくれて、いい準備をしてくれたのできょうの結果につながったのかなと思います。
 まずはチームとして攻撃の優先順位として、奪って素早く相手のゴールに向かっていく。それができなかったときにはマイボールを大切にして、ボールを動かし保持しながら、ゲームをコントロールしながらチャンスを作っていこうということ。これはこれまでのベースの中、選手が意識を持って準備してくれたことがゲーム内容にも反映されたと思う。特別私が何かをやったことはありません。これまでの試合の準備と一緒のことをしながら、選手たちが意識高く、お互いのイメージを合わせながら試合に臨んでくれたことが一番、パフォーマンスに直結したと思います」

——柴崎をあそこで投入した意図は?
「まずは守田に代えるか、(田中)碧と代えるかは彼らの疲労度を見ながら、試合の流れを見ながら決めていこうかなということで、守田が全て出し切ってくれていたので、体力的なことで交代しようと判断した。と同時に、終盤の勝たなければならない状況で、岳が持っている攻守をつなぐ能力、そして彼が守備から攻撃に、良い関わりをしてくれるだろうということで送り出しました」

――試合後の円陣では選手に対して具体的にどんなことを話していたのか?
「これまでの戦いの中で思ったような結果が出せない中、今日もプレッシャーがかかる厳しい戦いに臨みましが、選手たちが試合に出られる出られない関係なく、練習から自分のやるべきことを一生懸命やってくれる。そして、チームのために戦おうという姿勢を見せてくれた。自分のことをしっかりやる、チームのために自分のできることをしたことが試合の結果につながった部分では大きかったと思うので、『みんなの勝利だ』ということを選手たちには伝えた。選手たちがひたむきに勝利に向かって戦うプレーをピッチでしてくれる。そしてベンチ、サポートメンバーも一緒になって戦っているのを見てもらい、サポーターの皆さんが共感、共鳴してくれて、さらに大きなパワーになって戦えたということを選手たちには伝えました」

――選手たちが立ち位置がうまくいっていないという話を戦前にしていたが、改善するにあたって指示は出したのか? 選手と共有したものはあったのか?
「基本的なポジショニングは昨日、一昨日の練習では確認しているが、私がというよりも、選手たちがトレーニングの中で今日起こり得る状況を想像して、イメージを共有してくれたことが非常に大きいと思っている。私というよりも、選手たちがトレーニングの中で、オフ・ザ・ピッチでもどういう戦いをできるか、自分たちの力をいい形で発揮できるかということを、イメージ共有してくれたことが大きかったと思う」

――プレッシャーや苦しい状況をはねのけるために、監督自ら積極的に動こうという意図があったか。
「厳しい状況で、プレッシャーのかかる状況だったが、私自身の心構えとしては守りに入らないように、勝利をつかみ取りに行くんだという前向きな言動、采配をしたいなと思っていた。采配に関しては試合の流れを見ながらなので、積極的だったかどうかはみなさんの評価にお任せしたいが、選手たちが積極的にプレーできるように、守備はもちろん、いい守備からいい攻撃にと選手たちに伝えている。アグレッシブな守備から、我慢強く守備をしながらも必ず相手のゴールに向かっていけるように、前向きにプレーしてもらえるようなことはトレーニングとミーティングでは伝えていた。まだ交代枠がもう1人残っていたので、できれば全交代枠を使って、1人でも多くの選手をピッチに送り出したかったが、それができず。そこが積極的だったかどうかは、少し自分では分からないところがある」

――逆境が生む一体感というか、特別なエネルギー、チームスピリットを感じたが、チームメンタルの変化や一皮むけた部分を感じられたか。
「この4試合の中でも、初戦オマーンに負けた後、カタールに移動して中国と戦ったときも、選手たちの気持ち、姿勢が変わったのは感じていた。負けはしたが、サウジアラビアとの試合のときもモチベーションの熱は感じていたが、それが結果につながらなかったのは、本当に監督として、選手たちの努力を結果につなげられなかったのは自分自身の反省だった。きょうに関しては、選手たちが絶対に落とせない試合だということと、ホームでたくさんのサポーターに後押しをしてもらいながら勇気を持って戦いに臨めたことは、選手の後押しをしてくれたサポーターに感謝したい。選手たちの意欲が変わった、いいように見えるという部分では、サウジアラビア戦のときもあったと感じたが、よりこの試合の持つ意味を選手たちが共有して戦ってくれたのかと。選手たちの思いもいろんなところでコミュニケーションをとっている中で、逆境を乗り越えた時に自分たちはレベルアップできるんだと選手同士で共有して戦いに臨んでくれていたのかなと。こういう厳しい、プレッシャーの懸かった戦いに臨めるというのは、サッカー選手で上を目指している選手たちが幸せや喜びを感じて、厳しい戦いに臨もうという気持ちの表れが私自身は感じました」

――得点は2つとも、相手のSBの裏からチャンスが生まれた。スカウティングで狙い目だったのか。2つのゴールは必然性があったのか。
「必然かどうかは分からないが、オーストラリアはビルドアップがうまいチームと分析していた。我々の付け入る部分でいくと、SBが高い位置に、ビルドアップのときにポジションをとってくるので、ボールを奪ってからそのスペースを突いていけるのではないかと、オーストラリアの分析をして試合に臨んだ。得点にいたっては、狙いもそうだが、1点目の積極的な碧の飛び出し、それまでのチームでの守から攻へのつなぎ、2点目は我々が思っているスペースの中で拓磨がゴールに向かう、自分の特長を発揮してくれたゴールだと思う」

——報道で監督の進退に関わる報道もあったなかで、結果で跳ね返すことができたのか?
「進退に関しては特にきょうの試合だけで(進退が)懸かっているというふうには思っていません。代表の監督に就任してから毎試合毎試合、試合後には監督としての道が続くのか、終わるのかという岐路に立っていると思っている。きょうの試合で特別自分の進退について考えることはなかったです」

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