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何度も話し合い、初戦から内容向上させたU-17日本代表候補が関西学生選抜に1-0勝利!!

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1本目45分、U-17日本代表候補FW真鍋隼虎(名古屋U-18)が左足で決勝ゴール

[10.28 練習試合 U-17日本代表候補 1-0 関西学生選抜]

 04、05年生まれの選手で構成されたU-17日本代表候補はJ-GREEN堺(大阪)合宿最終日の28日、関西学生選抜と練習試合(45分×2本)を行い、1-0で勝った。

 今回の合宿でU-17日本代表候補はこれまでの4-4-2システムから、A代表やU-20代表に倣う形で4-3-3システムへ変更。選手たちは慣れないシステムで戦う上に森山佳郎監督から戦術面で「かなり難易度高い」要求を受け、同時に質の部分と強度の部分の向上も求められてきた。

 上手く行かず、時に混乱するようなこともある中、選手たちは自発的にピッチ内外でディスカッション。26日の関西学生選抜戦はショートカウンターや連動した崩しの良さが出た一方、ビルドアップや守備面で苦戦して3-7で敗れている。

 だが、試合直後からピッチサイドで行われていた選手同士の話し合いや、全体ミーティングで修正。森山監督は前日に「(初戦の守備は)10回中3回上手く行って7回やられるという。やられるシーンを少なくして、奪い切れるところを増やしていきたい」と語っていたが、奪い切るシーンやチャンスのシーンを増やすなど、大学生を上回る内容のゲームで勝ち切った。

 U-17日本代表候補の先発はGKが松原快晟(讃岐U-18)、4バックは右からSB池谷銀姿郎(横浜FCユース)、CB杉田隼(横浜FCユース)、小川遼也(富山U-18)、坂井駿也(鳥栖U-18)。中盤はアンカーに大関友翔(川崎F U-18)が入り、シャドーが伊藤大和(京都U-18)と西谷亮(東京Vユース)、ワイドFWは右が安藤阿雄依(清水ユース)、左が真鍋隼虎(名古屋U-18)、そして冨永虹七(神戸U-18)がCFとしてピッチに立った。

 対する関西学生選抜は2日前と同じく1、2年生によるメンバー。ただし、各大学のリーグ戦最中ということもあってか、数人を除いて前回から大きく顔ぶれを入れ替えてきていた。U-17代表候補は1本目立ち上がり、安藤のクロスから真鍋が頭でファーストシュート。パスの出どころになっていたSB坂井の配球などからアタックするシーンも見られた。

 互いにボールを持つとDFラインから丁寧にビルドアップ。前回以上にボールを握る時間を増やしたU-17代表候補は、大関が相手のプレスを剥がして縦へつけたり、安藤がカウンターからDF1人をかわして大きく前進したりしていたが、崩し切るまでには至らない。また、関西学生選抜のMF藤田悠介(びわこ成蹊スポーツ大2年)にキープされるなど高い位置で奪う回数は少なく、サイドから仕掛けられたりもしていた。だが、杉田が前に出て相手の攻撃を止めるなど、決定打を打たせる前にストップ。安定した戦いを見せていた。

 終盤にはミスなどから押し込まれ、CK、FKを与えてシュートも打たれた。だが、0-0を継続。逆に真鍋がクロスへ持ち込むなど、攻め切る回数を増やす。すると45分、中央で前を向いた交代出場FW内藤大和(甲府U-18)がスルーパス。真鍋はこれに届かなかったものの、GKのキックをチャージする。そして、こぼれ球を拾うと、GK不在のゴールへ冷静に左足シュートを流し込み、1-0で1本目を終えた。

 2本目は1本目途中から出場していたGK海本慶太朗(大宮U18)を除いて総入れ替え。4バックは右からSB矢口駿太郎(千葉U-18)、CB高井幸大(川崎F U-18)、CB西野奨太(札幌U-18)、SB松長根悠仁(川崎F U-18)。中盤は下田栄祐(鹿島ユース)がアンカーに入り、シャドーは齋藤来飛(千葉U-18)と久永瑠音(JFAアカデミー福島U18)、3トップは右FW滝口晴斗(広島ユース)、左FW根本鼓太郎(東京Vユース)、CFは内野航太郎(横浜FMユース)が務めた。

 U-17日本候補は1本目以上にアグレッシブな攻守。守備では剥がされる場面もあったが、それ以上にボールを奪い切り、チャンスへ結びつけるシーンを増やしていた。2分に齋藤が強烈な左足ミドルを打ち込むと、その後も滝口がPAへ侵入し、根本の左足シュートがゴールを襲う。

 10分に松長根が負傷交代。この日左SB石川晴大(清水ユース)が欠場していたU-17代表候補は矢口を左SB、滝口を右SBへそれぞれ移行し、右FWに南野遥海(G大阪ユース)を投入して対応する。

 声を掛け合いながら連動した守備を見せるU-17代表候補は、根本や齋藤らが球際で素晴らしい守備。すぐさま久永や内野がボールを前進させて、南野がシュートを連発した。だが、全体的にシュートをコースへ打ち込むことができず、2点目を奪うことができない。逆に終盤はボールを奪い切れずに中盤を突破され、MF前田龍大(関西大1年)にドリブルシュートを打たれたりもした。

 だが、U-17代表候補は後半途中から出場のGK若林学歩(狭山ヶ丘高)やともに好守を見せ続けていた192cmCB高井と、高校2年生で札幌トップ昇格のCB西野を中心に際の部分で身体を張ることも徹底して無失点勝利。選手たちの高い意識とともに、初戦から内容を向上させたU-17代表候補は、「かなり有意義にできていると思います」(森山監督)という5日間の合宿を大学生からの白星を喜び合う形で終えた。

(取材・文 吉田太郎)

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