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相次ぐトラブルで重視した継続性…吉田麻也「いじらない方が良いという判断」

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オマーン戦に切り替えるDF吉田麻也

[11.11 W杯アジア最終予選 日本1-0ベトナム ハノイ]

 前代未聞のアクシデントを乗り越えた。相次ぐトラブルに巻き込まれながらも敵地で勝ち点3を積み上げた日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)は「勝ち点3を取るのは最低限の課題だったので、そこをクリアできたことに一番ホッとしている」と安堵の表情を見せた。

「いろいろアクシデントはあったし、僕らは1日前(の合流)だったけど、ほとんどの選手が2日間しか練習していない。短い時間ですり合わせることは難しかったので、やはりミスもあったし、うまくいかない部分もあった」

 ベトナム国内で国際便が大幅に減便されている影響で、欧州組の一部は一度日本に帰国してから国内組とともにベトナムに入った。そのため、初日の練習に参加できたのはわずか5人。さらにオランダ発のチャーター機で試合2日前にベトナム入りする予定だった欧州組11人は給油先のロシアで足止めされ、試合前日の公式練習にしか参加できなかった。

 全体練習一回のみで試合に臨む“ぶっつけ本番”。10月12日のオーストラリア戦(○2-1)からは「足の痛みでプレーすることが不可能な状態だった」(森保一監督)というDF酒井宏樹からDF山根視来に右サイドバックが変更されただけで、システムも4-3-3を継続した。

「一つはこの間(オーストラリア戦)が良かったというのはあると思うし、もう一つはすり合わせる時間が少なかった分、あまり(メンバーを)いじらないほうが良いという判断だったんじゃないかと個人的には思う」と話す吉田を含め、スタメンのうち5選手は前日練習のみの参加だった。「前回のいいイメージのままというか、正直、練習時間も少なすぎて、いじる術がなかったのかなと思う」と、指揮官の意図を推察した。

 実際、森保監督は「予定どおり2日前、3日前からベトナムに着いた選手をスタメンで起用することも考えた」と話す一方、「(前日練習で)欧州から来た選手がプレーできる状態だと確認できた。トレーニングとミーティングを含め、試合までに与えられた時間で絵を合わせるのは選手を代えすぎた場合に難しい作業だというのがあった」と明かした。

 逆風を跳ね返し、つかみ取った勝ち点3。この日、首位サウジアラビアと2位オーストラリアが引き分けたことで、3位日本とオーストラリアの勝ち点差は「1」に縮まった。吉田は「僕らにとっては良かったのかなと思う」と率直に話しながらも、「一進一退の攻防が続くというか、どのチームも一つミスが起これば状況は変わる。それは僕らも一緒だし、勝ち点を積み上げるだけだと思う」と表情を引き締めた。

 5日後には敵地でオマーンと対戦する。「このシリーズの2試合は確実に勝ち点3を取って、勝ち点6を積み上げたいと思っていた。まだ前半が終わったところ。後半のオマーン戦に向けて、またいい準備をしないといけない」。ホーム初戦で敗れた相手とのリベンジマッチ。日本のキャプテンは「初戦で負けている相手だし、もちろん2回は負けられない。このシリーズの後半戦でも確実に勝ち点3を取って、上のチームにプレッシャーを与えたい」と必勝を誓った。

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