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左サイドで試行錯誤重ねる南野「手応えもあるし、結果を残したい気持ちもある」

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日本代表のMF南野拓実(リバプール)

 日本代表のMF南野拓実(リバプール)が15日、カタールW杯アジア最終予選オマーン戦の前日オンライン取材に応じた。最終予選は負傷の影響もあって、いまだノーゴール。再び得点を生み出すべく、周囲とすり合わせをしながらゴールに向かっていく構えだ。

 森保ジャパン発足当初は4-2-3-1のトップ下として攻撃を牽引してきた南野。ところが昨年以降はトップ下を本職とするMF鎌田大地の台頭もあり、左サイドハーフでの起用が中心となり、今年10月から採用する4-3-3の新システムでも左ウイングに配置されている。

 このポジション変更は当時、南野が期限付き移籍先のサウサンプトンでサイドハーフを務めていたことも影響しているとみられる。それでも「自分が点を取れるポジションとは違うし、それが少し変わったと思う」といい、適応には難しさも感じているようだ。

 そんな南野は左サイドでプレーする際、守備時こそサイドに幅を取ったポジショニングをするが、攻撃ではDF長友佑都(FC東京)が大外でのプレーを得意とすることもあり、中央寄りのハーフスペースに絞っての仕事が中心。「お互いの特長を生かす方法」(南野)という判断でこうした役割分担が行われているようだ。

 もっとも、ベトナム戦でゴールを生み出したのは背後に抜け出すダイナミックな動きからで、選手の特長に配慮したポジション取りによるボール保持からの崩しはそれほど見られなかった。

 南野は「ベトナム戦のゴールはサコ君(FW大迫勇也)に当たって、俺が追い越して行って、速い攻撃で前の3人が絡んでいった。ああいうシーンは一つの理想」と速攻には手応えを語った一方で、「ブロックを敷いて守られた時にどういう距離感で攻めていくかはもっと試していきたい。ビルドアップからポジショニングをいろいろ調整して、そのつど良い距離感でできるようにしないとという意識をしている。もっとそういうシーンを出せれば」とポゼッション攻撃が発展途上だと見ている。

 また自ら仕掛けていく動きも足りないと感じているという。「基本的にはウイングの選手がサコくん(大迫)の裏のスペースを使っていければいいかなと思うけど、個人的には8番の選手(インサイドハーフ)が追い越して行ってそのスペースを使うのも効果的だと思う。とはいえどっちのシーンも少ないというか、サコくんの動いたスペースを上手く使えていないと感じているので、そのあたりはもっと上手くやっていければ」と課題を見つめていた。

 そうした停滞感の背景には最終予選という舞台のムードも影響しているようだ。南野は「毎試合落とせない状況になってからは1-0で勝っていても、なんとなく緊張感はやっぱりあるというか、本来もうちょっと余裕があれば1点取ればもっと気持ち的に楽にプレーできるようになるけど、硬さというのはある。遊びのプレーというか、ボールの動かし方であったり、余裕の部分で硬さがあったとみんな感じている」と明かした。

 とはいえ、そうした中でもゴールを奪えなければワールドカップ出場は遠ざかっていく。

「チャンスが全くないわけでもないし、チャンスの数も増やしていきたいと考えている。でもトップ下でやっていた頃のやり方がプレースタイル的にゴールを奪えるポジションだと思うけど、チームに求められるのは左からゴールに向かっていく部分」。

 そう現状を語った南野は「ゴールに向かっていく上でどうしたらいいのかは毎試合プレーしていて、手応えもあるし、結果を残したい気持ちもある」と力を込めた。

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