[11.28 Jヴィレッジドリームカップ U-16日本代表候補 3-2 U-17日本高校選抜 Jヴィレッジ]

　U-16日本代表候補は後半ラストプレーでゲームキャプテンのCB畑野優真(横浜FMユース)が決勝ヘッド。劇的な結末となったゲームの主役になったが、同じく勝利の立て役者となったのがGK小林将天(FC東京U-18)だ。

　2失点しただけに本人に満足感はない。だが、先制された直後の44分に抜け出してきたU-17日本高校選抜MF真田蓮司(東山高2年)のシュートを左足裏で超絶セーブ。45+1分にもFW香西銀二郎(立正大淞南高2年)の至近距離からのシュートに触り、ボールはポストを叩いて外へ外れた。

　後半にもミドルシュート、1対1、FKを次々とファインセーブ。4、5点失ってもおかしくないような試合でU-16世代を代表するGKが失点を最小限に抑えた。キックミスなどがあったことも確かだが、それでもまさに“守護神”の活躍で勝利へ導いた。

　小林はこれまでの対外試合でも毎試合のように2つ3つのファインセーブでチームを救ってきた。その一方、不安もあったようだ。「今回の合宿は大会形式で行われると聞いており、とても楽しみにしていました。これまでの代表活動では、試合に勝てない事が多くて少し不安もあったのですが、今回は個人としても、チームとしても、良い準備をして臨むことができたと思います」と振り返る。

　今回、一緒に招集されたGK中村圭佑(静岡学園高)はFC東京U-15むさし時代のチームメート。ライバルと切磋琢磨しながら2人でゴールを守り抜いた。優勝を懸けた最終戦の90分間を任された小林は、「最終日の試合では、苦しい場面もあり、2失点してしまいましたが、チームとして最後まで諦めないという勝ちに対する強い意識があったからこそ良い結果を持ってこれたのだと思います」と胸を張る。

　自身の活躍によってU-16日本代表候補に優勝をもたらした小林は、またチームに戻って挑戦を継続。上の世代の代表チームに食い込む力も十分にありそうな189cmGKは「今回の合宿を機に、自分自身が更に成長できるよう頑張りたいです」と誓った。

(取材・文　吉田太郎)