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初A代表帯同で大緊張の17歳アンリに見せた稲垣祥の気づかい「ちょっといじめてやろっかなと(笑)」

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DFチェイス・アンリとMF稲垣祥

 日本代表MF稲垣祥(名古屋)は17日に行われた合宿初日の練習前、トレーニングパートナーとして帯同しているDFチェイス・アンリ(尚志高3年)を誘い、チームメートのMF相馬勇紀(名古屋)とともにウォーミングアップを行っていた。

 18日に報道陣のオンライン対応に応じた稲垣に経緯を聞くと「『緊張してるんすよ』って言っていたので、ちょっといじめてやろっかなと思ってリフティングでいじめてました(笑)」と冗談めかしたが、実際に行われていたのは笑顔ものぞくリフティングゲーム。高校在学中のA代表帯同というプレッシャーがかかる立場の17歳に対し、チームに馴染めるよう気遣う姿勢が光った。

 そんな稲垣にとっては、初選出を果たした昨年3月のカタールW杯アジア2次予選に続いてのA代表復帰。デビュー戦となったモンゴル戦(○14-0)では30分間弱の出場ながら2ゴールを記録し、持ち味を大いに発揮していたが、その後は東京五輪世代の台頭もあって招集の機会はなかった。

 その間はファンと選手、両方の気持ちを抱いて試合を見ていたという。

「ちょっと身近になったかなという感じで、入る前よりは親近感が湧きながら見ていたけど、そこまで見方は変わらない。いちファンとして応援していた」。

 直近の最終予選を振り返った稲垣は「中盤の選手はいい選手が揃っているし、海外で活躍している選手もそれぞれ能力が高く、自分自身も参考にしながら試合を見せてもらっている」と明かし、「ボランチの選手がどれくらい前に食いつくのかとか、ボールがオンのところでどこを見ていてどこにパスを出すか、どのエリアをカバーしているかなど、一つではなく多くのところを見ながら参考にしている」と詳しく語った。

 もっともその一方、自らの武器には確固たる自信を持っている。

「もちろん自信はあるし、自分自身にしかできないプレー、今まで代表で選ばれているボランチとは違うところでの価値を出せる自信もある。かといってそれを評価してくれと思わないけど、少なくとも自分の中では胸に秘めて過ごしながらプレーしている」。

 武器というのはA代表デビュー戦で2ゴール、昨季のJ1リーグでも8ゴールを記録した得点力。稲垣は「ボランチで得点を取れるところは自分の武器だし、それを証明できた昨シーズンだった。そういうところの存在感は自分の強みとして今後も出していきたいし、これから自分が代表で生き残っていくにはそこの存在感が必要だろうなと思っている」と力を込めた。

 今回のトレーニングキャンプでは初日から強度の高いハーフコートゲームを実施。「自分自身は名古屋で、1週間弱やっていて、立ち上がりからバチバチと強度高くやっていたので、ギャップみたいなのは感じなかった」。最終予選初のメンバー入りに向けて準備万端。「今までプレーしてきたことをそのまま出せれば」とアピールしていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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