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コロナ陽性隔離から復帰の岩渕真奈、“もどかしさ”や“不安”を支えた仲間からの手紙やLINE

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取材に応じた岩渕真奈(zoomのキャプチャー画面)

「信じられなかったけど、ルールだからどうしようもなかった」。新型コロナウイルスの陽性反応による隔離生活が解けたFW岩渕真奈(アーセナル)は、ホッとした表情とともに複雑な心情を吐露した。 

 日本女子代表(なでしこジャパン)に悲報が届いたのはアジアカップ開幕を直前に控えた18日。イングランドを出発する前に行った検査では陰性だったが、インド到着時に行われた検査で陽性が確認された。

 まさに寝耳に水。「この大会に向けてやれることはやってきていたつもりだった」。岩渕自身、無症状だったこともあり、「もどかしさ」を拭い去ることが難しかったと振り返る。

 しかしホテルの自室に入れてもらったバイクを漕いだり、ボールの感覚を失わないようにとリフティングを行うなど、やれることをやった。「一週間後のテストでまた陽性だったらどうしよう」。不安との戦いだったとも振り返るが、手紙やLINEを使ったメッセージのやり取りなど、チームメイトの励ましもあって、何とか乗り越えられたという。

「チームの中で隔離だったので、いろんな人に迷惑をかけて、いろんな人に助けてもらった。チームメイトの存在はものすごく大きかった。手紙やLINEもしてくれた。自室からみんなが出発する姿も見えたので、手を振り合って、元気を貰いました。もどかしさはみんなを見れば見るほどあったんですけど、みんなに助けてもらっていました」

 そして24日の再検査で晴れて陰性が確認され、25日よりチーム練習に合流。陰性判定後も食事のタイミングをずらしたり、練習場へ向かう車も別行動を取るなど、今でも不自由はあるというが、それでも「インドに入って一週間、ほぼ誰にも会わずに生活していたので、みんなに会えてうれしかった」と初練習での仲間との再会に素直な感想を漏らす。

 当然、現在のコンディションが万全でないことは自覚している。しかしグループ首位通過をかけた27日の韓国戦に向けて、「求められているのは結果、ゴールの部分だと思うので、積極的に仕掛けて、違いを生み出せるように、出場したら頑張りたい」と力強く意気込む。

 またMF長谷川唯が「雰囲気としてがブチさんの明るいキャラクターがいい影響を与えている。プレーで万全かと言われるとまだだとは思うけど、試合に出たら何かやってくれるなと感じています」と話したように、チームに好影響を与えていることは間違いない。2連勝を決めているなでしこジャパンだが、百戦錬磨のエースの存在はやはり必要だ。
●女子アジアカップ2022特集ページ

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