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途中出場でもがく中山雄太「僕がもっと上手くなればスタメンになれる」

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日本代表DF中山雄太(ズウォレ)

 日本代表DF中山雄太(ズウォレ)が30日、カタールW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(2月1日・埼玉)に向けたオンライン取材に応じた。28日の練習で左足先を痛め、翌29日の全体トレーニングへの合流を回避。それでもチーム関係者によれば「大事を取っての室内調整」だといい、中山自身も「もう問題ないです」と力強く語った。

 27日に行われた最終予選・中国戦では後半13分から出場し、ファーストプレーとなった同16分には自身のクロスからMF伊東純也(ゲンク)のゴールをアシスト。「結果として残せたことによって1-0から2-0になり、チームを楽にできたのがよかった。アシストは伊東選手が決めてくれたものなので、結果がついてきてよかった」。途中出場の選手として、完璧な仕事を成し遂げた。

 最終予選の直近5試合では継続して試合途中から起用されており、出場時間も1分、5分、27分、28分、32分と徐々に伸びてきている。ただ、そうした起用法からは森保一監督の信頼がうかがえる反面で、レギュラー争いという点ではDF長友佑都(FC東京)の牙城を崩すに至っていないのもたしかだ。

 中山は「日々やっていることがしっかり増えてきて、それがしっかり試合の中で出せていると感じている手応えにつながっている」と前向きに述べる一方、「最終予選が始まってスタートから出ていないことに関しては悔しい部分と、同時に足りないものがあるからこそそれが実現していないと思っている。日々そこを埋めて、実現できるかどうかでもがいている」と自身の立場を捉えている。

 そので中山が強調するのは「スタメンは結果でしかない」という姿勢だ。「スタメンじゃないことに満足していないし、スタメンで出たいのは当たり前のこと。ただ、出られていないことについては僕がもっと上手くなればスタメンになれると思っている」。難しい立場も自身の糧とし、成長につなげようとしている。

「究極言えば、僕は10個のうち9個が良くても一つのミスを気にするタイプなので、日々自分が成長して、結果としてスタメンになっていれば自分としてもプラスだし、スタメンじゃなかったとしても成長できればポジティブでしかない。そういう意識で取り組んでいる。捉え方によってはスタメンに貪欲になっていないと思われがちだけど、スタメンは結果でしかない。それを自分に手繰り寄せられるかどうかは、日々の行動からしかつながっていない」

 そうした姿勢は所属クラブでリベロ起用が続いていることへの捉え方にも表れている。

「起きることは全ていいことも悪いことも繋がっていて意味があると思っている。どのポジションでもサッカーだし、その状況でどう課題を向けられるかだと思う。前までの自分だったらネガティブになる部分もあったのかもしれないけど、特にポジションがどうとかはない。3バックの真ん中でもサイドバックに生きるような課題にも取り組めているので問題に思ってはいない」

 その姿勢は次のサウジアラビア戦でも変わらない。「ポゼッションというところではチームに落ち着きをもたらし、ロングフィードやショートパスといったいろんなバリエーションで攻撃にリズムを作れるのは特長として出していきたい。前回のサウジアラビア戦でもサイドバックがボールを運べる状況があったので、フリーでもらえる場面ではクロスでのチャンスメークもできるような頭の整理をしたい」。大事なのは自らの役目を全うすること。その先にさらなる飛躍があると信じ、W杯出場に向けた重要な一戦でもこれまでどおりのパフォーマンスを発揮する構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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