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森保Jの“転機”を与えられたサウジとの再戦…指揮官が選手たちに伝えたこと

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サウジアラビアとの再戦へ

 日本代表は2月1日、埼玉スタジアム2002でサウジアラビア代表と対戦する。昨年10月の対戦では0-1で敗れており、グループ首位独走を許した強敵との大一番。森保ジャパンにとっては、カタールW杯出場圏内のまま3月のオーストラリア代表との直接対決につなげるためにも、勝利が求められる一戦となる。

 森保一監督は31日の前日会見で「戦術的な部分、メンタルの部分、ポイントはいくつかあるが、W杯出場に向けてわれわれがサウジアラビアを上回ってホームで勝つという気持ちが大切」と力説。「サウジアラビアの個々の選手たちは非常に能力が高い。攻撃でも個人で突破してくるし、組織的にもチームで連係連動して突破してくるので、どちらで来ても対応できるよういろんな選択肢を持って対応しないといけない」と意気込みを語った。

 サウジアラビアと日本の勝ち点差は4。もし日本がホームで敗れれば、サウジアラビアは2試合を残して本大会出場が決まるという状況にある。

 それでも指揮官は自チームにフォーカスする姿勢を強調する。「サウジアラビアがW杯に出るということをわれわれが考えるというよりも、われわれが明日の試合に勝って、W杯への出場の道をつなげていくところ、その気持ちを強く持って戦うことを選手たちに伝えている。サウジアラビアは強敵だが、われわれ日本代表として戦ってくれる選手たちは非常にいい選手が揃っている。一人一人の力を100%発揮し、チームとして組織的に力を発揮すれば、相手を上回れるんだ、われわれが強いんだということを選手たちに伝えた」。選手たちへのメッセージをそう明かした森保監督は次のようにテーマを掲げた。

「この最終予選、アウェーでサウジアラビアに負けているので、そういった意味ではアジアで同じ相手に2度も負けられないということ。そしてサウジアラビアがここ日本でもしワールドカップ出場を決める状況になれば、非常に悔しい思いをすることになるだろうということは私自身も思っている。ただ、一番強く思っていることはサウジアラビアがどうなるかではなく、過去にサウジアラビアに負けたから次にそれを取り返すためではなく、われわれがワールドカップに行きたいか。ワールドカップ出場につなげるためにも勝たないといけない。2敗した時点で『勝ち続けることによってワールドカップに出場できる』ということを毎試合共有しながら一戦一戦全力で戦ってきている。相手がどこであろうと、ホームで戦って勝つ、カタールW杯に向けて道を繋いでいく、われわれの夢につなぐことを最優先に考えて戦っていきたい」

 もっとも、前回のサウジアラビア戦を踏まえずに戦うわけにはいかない。森保ジャパンにとって前回対戦は大きな転機。それまで臨機応変な布陣変更を試合中に求める方針を続けながらも、基本システムは4-2-3-1で貫いてきた指揮官だったが、あの敗戦後から4-3-3の新布陣を採用する決断をした。その結果、MF田中碧の抜擢を経て先発の顔ぶれも変化し、そこから最終予選4連勝でここまで持ち直してきたという背景がある。

 指揮官自身も前回対戦からのチームについて「間違いなく、力として積み上がってきている。このW杯に向けての戦いの中で選手たちが個々のやるべきこと、チームとしてやるべきことを、いいチャレンジをしながら、成長しながら結果を出して来られていると思う」と手応えを語る。その上で「チームとしての戦いも、システム的に違った戦いをしても、攻撃と守備のベースになる戦い方、優先順位を考えた戦い方を持った上で、対戦相手に対してのオプションとしての戦い方を持つということができている。選手たちがいいトライをしてくれて、チームとしてもベースが積み上がっていると感じている」と自信も示した。

 そうして明日、サウジアラビアとの再戦を迎える。森保監督は「基本的に大きく変える必要はないと思っている。勝っていたとしても変えないといけない、変えたほうがいい部分は変えていくが、基本的には中国戦の選手をベースに考えていきたい」と起用法も明言。「相手にボールを握られる時間帯、受け身に回る時間帯もあると思うが、我慢強く戦い続け、そこからわれわれの流れに持ってくることを想定の一つとして持っておかないといけない心構えだと思う。ただアグレッシブに仕掛けてゴールに向かうところ、素早く攻めるところ、われわれがボールを握りながら相手の守備を崩していくことをサウジアラビア以上にできるよう、積極的に試合を進められたら」。新たなトライを重ねてきたここ3か月間。その大きな積み上げを引っさげ、大一番にぶつかっていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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