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南野先制弾&伊東純也1G1Aで首位サウジ撃破!! 森保J、7大会連続W杯出場に王手

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MF伊東純也(ゲンク)が試合を決定づけるスーパーゴール

[2.1 W杯最終予選 日本 2-0 サウジアラビア 埼玉]

 日本代表は1日、カタールW杯アジア最終予選第8戦でサウジアラビア代表と対戦し、2-0で勝利した。MF伊東純也の史上最多タイ4試合連続ゴールなどでここまで無敗を保っていた強敵を破り、最終予選5連勝。初戦黒星で一時は窮地に追い込まれた森保ジャパンが、7大会連続のワールドカップ出場に王手をかけた。

 ここまで6勝1分でグループ首位を走るサウジアラビアとの大一番。森保一監督は2-0で勝利した1月27日の第7戦・中国戦と同じ11人をスターティングメンバーに並べた。

 システムは昨年10月の第3戦・オーストラリア戦(○2-1)から引き続き採用している4-3-3。GKは権田修一(清水)が務め、最終ラインは左からDF長友佑都(FC東京)、DF谷口彰悟(川崎F)、DF板倉滉(シャルケ)、DF酒井宏樹(浦和)。中盤はMF遠藤航(シュツットガルト)、MF田中碧(デュッセルドルフ)、MF守田英正(サンタクララ)の3ボランチで、ウイングは左がMF南野拓実(リバプール)、右がMF伊東純也(ゲンク)。前線中央はFW大迫勇也(神戸)が入った。[スタメン&布陣はコチラ]

 日本は序盤からボールを握られながらも、カウンターからチャンスを狙う構図。すると前半5分、ハイボールを競り合った大迫がDFアリ・アルブライヒのファウルを受け、さっそくイエローカードを誘った。同6分にも大迫は見事なポストプレーでA・アルブライヒを制すなど、激しいせめぎ合いが続いた中で存在感を放った。

 前半12分には田中のタックルでボールを奪うと、遠藤の縦パスに伊東が突破。だが、ここまで出場機会の少なかったMFアリ・アルハッサンのカバーリングに阻まれ、カウンター攻撃は不発に終わる。同16分、サウジアラビアにアクシデント。伊東と競り合ったMFアブドゥレラー・アルマルキが右膝を痛め、MFアブドゥラー・アルハイバリとの交代を強いられた。

 やや荒れ模様となった前半21分には、日本は板倉がFWフェラス・アルブリカンへのレイトタックルでイエローカード。それでも同23分、酒井のスローインが相手にクリアされると、こぼれ球を拾った谷口が前線に浮き球パスを送り、大迫と南野がゴール前へ。最後はオフサイドに終わったが、南野が惜しいシュートを放った。

 その後はサウジアラビアのクロス攻撃に苦しむ場面もあったが、日本は前半29分に最初の決定機。最終ラインを起点としたビルドアップから田中、守田とつないで伊東が右サイドを攻め上がると、クロスボールがGKモハンメド・アルオワイスを襲う。相手GKの好守でうまく守られたものの、狙っていた右からの攻撃が初めて完結した。

 そうして迎えた前半31分、日本がついに試合を動かした。遠藤の縦パスを伊東が酒井に預けると、伊東は猛スピードで右サイドを突破。酒井のスルーパスに反応し、A・アルブライヒを一気に抜き去ってグラウンダーでのクロスを送ると、大迫がスルーしたボールを南野がキープ。冷静に左足に持ち替えて相手をかわし、左足で放ったシュートがGKに触れられながらもゴールに入った。

 南野は待望の最終予選初ゴール。ここまで3ゴール1アシストと攻撃を牽引してきた伊東のお膳立てから、悩める背番号10がこの大一番で結果を出した。

 前半41分にも日本が決定機。田中の縦パスを受けた伊東が鋭いシュートで相手GKを強襲し、こぼれ球を拾った南野のパスから田中にシュートチャンスが訪れた。しかし、相手のタックルを受けて倒れ込んだが、ファウルの笛は鳴らされず。終盤はサウジアラビアの猛攻を受けた日本だったが、1-0のままハーフタイムを迎えた。

 後半は自陣からボールを組み立ててきたサウジアラビアに対し、日本は前半より激しいハイプレッシングで応戦。一気に相手をのみ込んでいった。そうして迎えた3分、日本に早くも決定機。権田のロングキックを酒井、伊東とつなぎ、酒井がクロスボールを送り込むと、ファーの南野がボレーシュート。大きく左に外れたが、追加点を狙う姿勢を前面に出していった。

 すると後半5分、日本がさっそく次の1点を奪った。ハイプレスで守田、伊東、遠藤が連係してボールを奪い、左サイドに回して攻撃を展開。やや中央気味に攻め上がっていた長友が相手に寄せられながらもエリア内にボールを送り込むと、伊東がやや浮かせたトラップから右足を一閃。まっすぐな弾道で放たれたボレーシュートがゴール左上に突き刺さった。

 スーパーゴールを突き刺した伊東はこれで昨年11月のベトナム戦(○1-0)、オマーン戦(○1-0)、今シリーズの中国戦、サウジアラビア戦と最終予選で4試合連発。ロシアW杯最終予選でMF原口元気が樹立した最多記録に並んだ。また奇しくも、原口と同じサウジアラビアとのホームゲームでの達成となった。

 その後はサウジアラビアが選手交代を行う中、日本は引き続き布陣を高く上げてゲームを支配。後半17分には谷口のパスから南野が抜け出し、オフサイドには終わったが、GKと1対1の決定機もつくった。森保監督は後半23分、最初の交代カードを使い、大迫と長友に代わってDF中山雄太(ズウォレ)とFW前田大然を投入。中国戦と同じ起用で攻守にテコ入れした。

 さらに後半32分、南野に代わってFW浅野拓磨(ボーフム)を投入。浅野、前田、伊東のスピード系3トップでハイプレスとカウンターへの勢いを強めた。すると同36分、日本は華麗なパスワークで右サイドを打開し、酒井のクロスに浅野が反応。ところが浅野のボレーは大きく枠を外れ、追加点とはならない。

 後半40分には中山がサイドを突破され、深い位置をえぐられてピンチを招いたが、最終ラインまでカバーリングに入っていた守田が落ち着いてクリア。同41分には前田のスピードを活かしたカウンターを見せるなど、勢いを保ち続けた。終盤には遠藤に代わってMF原口元気(ウニオン・ベルリン)をインサイドハーフで起用し、そのまま試合はタイムアップ。日本は最終予選5連勝でグループ2位の座を守り、3月に控える残り2試合につないだ。

 日本は3月24日にアウェーで行われる3位オーストラリアとの直接対決に勝利すれば、1試合を残してカタールW杯出場が決まる。

(取材・文 竹内達也)
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