beacon

左サイド躍動の長友「みなさんの批判が僕の心に火をつけてくれた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

左サイドで躍動したDF長友佑都

[2.1 W杯アジア最終予選 日本 2-0 サウジアラビア 埼玉]

 文字どおり批判の声を力に変えた。後半23分に途中交代するまで攻守に走り回った日本代表DF長友佑都(FC東京)はMF伊東純也の追加点も“アシスト”。試合後のオンライン取材では「あれ、アシストを付けてくれるんですか。本当は狙ってないんですけど、『しっかり見てあそこを狙った』ということにしておいてください」と冗談交じりに笑った。

 最終予選に入ってDF中山雄太とのポジション争いが激しくなる中、スタメン起用が続く長友に対してファンやメディア、元日本代表選手からの批判が噴出。それでもサウジアラビア戦を前にして長友自身は「叩くにしても、まだ中途半端」と言ってのけ、「厳しい批判とか、厳しい意見の中に自分を成長させるチャンスが眠っていると考えている」と歓迎していた。

 この日のパフォーマンスはそうした声に対する答えでもあった。「たくさんの批判をいただいて、みなさんの批判が僕の心に火をつけてくれた。あらためて批判は自分にとってガソリンであり、必要なものなんだなと思った。追い込まれれば追い込まれるほど、逆境になればなるほど、力を発揮できる」。そう力説すると、「ただ、たくさん批判をもらって、このままだと燃えてしまう。今日だけでいいので称賛という名の栄養、水が欲しい」と長友節で笑わせた。

「生きるか死ぬか。今日できなければ代表にいる意味はないと思っていた」。背水の覚悟でピッチに立った。W杯本大会と同じような緊張感、プレッシャーを感じていたという。「それぐらいのプレッシャーのほうがアドレナリンが出るし、体が動く。自分がダメなときは今後も批判してほしい。厳しい意見が必要だと思うし、みなさんに感謝したい」。W杯への思いが35歳のベテランをそれほどまでにかき立てていた。

「代表への思いがなかったら、これだけ批判を浴びて、普通は逃げますよね。だけどW杯で戦いたい。自分の夢は変わらない。今日ダメだったら代表もダメだと思っていた」

 DF板倉滉、DF谷口彰悟という“代役コンビ”がDF吉田麻也、DF冨安健洋の穴を埋めての2連勝。「(板倉)滉も(谷口)彰悟も素晴らしかった。僕は何もしてない。ベテランなのに自分が一番バタバタして、彼らの落ち着きに支えられていた」。そう感謝すると、「みんなかわいいヤツらで、これだけ批判されて苦しんでいる自分をサポートしてくれて、支えてもらった。ベテランとしてプレーでも見せないといけないという強い気持ちでいたし、本当にいい後輩に恵まれました」と満面の笑みを浮かべた。

●カタールW杯アジア最終予選特集
●カタールW杯各大会予選一覧

TOP