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批判をパワーに変えた長友に森保監督「私自身も見習っていきたい」

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DF長友佑都(FC東京)への信頼を語った森保一監督

 日本代表森保一監督がカタールW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(○2-0)から一夜明けた2日、報道陣のオンライン取材に応じ、DF長友佑都(FC東京)とDF中山雄太(ズウォレ)による左サイドバック争いに言及した。最終予選では8試合連続で長友が先発起用されているが、フル出場は初戦のオマーン戦(●0-1)のみ。直近6試合では中山が途中出場を続けており、先発起用を期待する声が高まっていた。

 森保監督は中山の先発待望論について「チームの勝利のためにという大前提で起用は考えている。これまでの最終予選の左サイドのところを切り取ると、中山が先発で出ていてもおかしくないという見方はあってもいいかなとは思う」と理解を示しつつも、「ただ長友が先発で出ていて、無失点をずっと続けているスタメンだということ」と指摘。「長友が勝つ流れを作ってくれて、中山が思い切って試合に出て行けている。中山も勝ち切らないといけないのでプレッシャーはあると思うが、佑都が流れを作ってくれて、経験の浅い選手が出て行くというのは悪くない」と“分担起用”の意図を明かした。

 もっとも、6試合連続で重要な終盤を任せていることからも中山への信頼は明らかだ。中山がこれまでより低調なパフォーマンスに終わったサウジアラビア戦を振り返った森保監督は「本人とも話したが、これまでのゲームとインテンシティが変わったとき、スピードが上がった時にも常に自分のほうが上回っているというのを見せられるようトライしてほしい」と要求しつつ、「いい選手であればいいプレーを続けていれば必ずチャンスは巡ってくる。必ずポジションを取れるようになると思うので続けてほしい」と期待を示した。

 一方、サウジアラビア戦で存在感を放ったのは長友。積極的な対人守備を見せ、安定感を取り戻していた。そんな36歳については「佑都も彼の一番いい時に比べたらそういう状態ではないかもしれないが、まだまだスタートを張れるだけのパフォーマンスを見せてくれるということは昨日の試合でも再確認できた」と高評価。「普段の練習から見ていてもスタートから出られる資格がある選手だなと思い、使わせてもらっている」と手応えを語った。

 そんな長友の姿勢は指揮官にも影響を与えているようだ。「いつもスーパーポジティブ。何が起きてもポジティブ変換してエネルギーに変えていくことができる素晴らしい選手だなと思う。練習でも人一倍元気に、クオリティーも求めながらというところで、突き抜けたポジティブさをいつもどんな状況でも変わらずできるのは彼のスーパーなところ」。そう称賛を送った森保監督は「私はそんなに佑都への批判的な記事を見ているわけではないが、彼の受け答えを見ていると、結果全部エネルギーにして、日々のパワーに変えていくところは素晴らしくて、私自身も見習っていきたい」と頼もしそうに話した。

(取材・文 竹内達也)
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