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欧州視察終えた森保監督、セルティック関係者の“反応”に笑顔「日本人として誇らしかった」現地で計13選手と面会

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督が25日、報道陣のオンライン取材に応じ、今月11日から24日にかけて行っていたヨーロッパ視察を振り返った。日本人所属チームの試合を中心に8試合を現地視察し、試合を見られなかった選手も含めて13人と面会したという。

 森保監督によると、面会したのはサンプドリアのDF吉田麻也、セルティックのMF井手口陽介、FW古橋亨梧、FW前田大然、MF旗手怜央、シントトロイデンのMF香川真司、アーセナルのDF冨安健洋、マジョルカのMF久保建英、サンタクララのMF守田英正とFW田川亨介、ポルティモネンセのMF中島翔哉とGK中村航輔、フランクフルトのMF鎌田大地の順。そのほか、チームスケジュールの関係で選手と面会はできなかったが、到着直後に行われたMF田中碧とDF板倉滉の直接対決となったブンデスリーガ2部のデュッセルドルフ対シャルケなども視察したという。

 森保監督は今回の欧州視察について「次のオーストラリア戦、ベトナム戦に向けてという部分ではもっと多くの選手に会いたかったというのはもちろんあるが、限られた時間の中で、次の試合に向けていい準備となる充実した視察ができた」と前向きに振り返りつつ、「チームのこれまでの成果と課題を話した。選手がどういう思いを持っているのかは代表活動期間中には話す機会がないので、限られた選手にはなったが話ができてよかった」と面会時の会話内容の一端を明かした。

 また指揮官はヨーロッパのクラブにおける戦術の落とし込み方や、日本人選手が日々戦う環境にも感銘を受けたようだ。

「ゆっくり話せる選手に関してはそのチームでどういうふうに役割が与えられているか、戦術的な指示を受けているか、トレーニングでどういうことをやっているかを聞かせてもらった中で、監督の色にもよるし、全てが全てではないが、戦術的なプレーモデルとしてプレシーズンであったり、試合に向けての戦術の落とし込みはどの監督も徹底して行うということを選手たちとの話の中で感じた。戦術の落とし込みでは覚えることが多くて大変だという部分、試合に向けてもオプションとして対戦相手の攻撃と守備に関してどう対応していくか、ストロングポイントとウィークポイントを整理して試合に臨むという話をしてくれた選手もいた。代表ではクラブとは違って、ゆっくりと戦術を落とし込む時間はないので、限られた時間の中で選手たちがよりクリアに思い切って試合に臨めるよう、戦術であったり、個々の選手の役割を明確にして、トレーニングでも無駄のないように効率的に伝えられるようにということと、トレーニングの回数は限られているので、ミーティングなどで戦術をよりわかりやすく伝えられるように準備しないといけないなと感じた」

「複数の日本人がいるチームもあるが、みんな孤独に戦っている、自分のポジションを掴むために孤独に厳しい競争の中で頑張っているなと思った。ちょっと休むと他の選手が出てきて、自分の居場所がなくなったりする。また競争相手はチーム内だけでなく、監督やチームに信用されていなければ、補強できるときに補強のポイントを持ってこられるなど、すごく厳しい中で戦っているとあらためて感じた」

 また日本人4選手が一挙に加入したセルティックでは、負傷のため1月の活動に参加できなかった古橋の状態を確認したという森保監督。「まだプレーができる状態じゃない。ただ順調にリハビリは進んでいる。次の招集に向けてまだはっきりしないところはあるので、状態を見て招集を考えていきたい」とコンディションには不安も示したが、日本人選手の活躍を受けての現地関係者からの反応については笑顔で明かした。

「アンジェさん(アンジェ・ポステコグルー監督)とも、セルティックCEO、GMとも話をしたが、日本人の活躍をすごく褒めてもらって、喜んでもらって、日本人としてすごく誇らしかった」。次に対戦するオーストラリア代表の前監督にあたるポステコグルー氏からは「次は大事な一戦だねという話をもらった」と“プレッシャー”もかけられた様子。その一方で「日本代表は順調に積み上げている」という評価も受けたといい、「普段から(試合を)見ている話し方だという言葉だった」と日々視察を欠かさない同氏の姿勢に感服していた。

 3月下旬に始まる次回の活動はカタールW杯アジア最終予選のラスト2試合。24日にアウェーでオーストラリア戦を行ったあと、29日にホームでベトナムと対戦する。欧州からオーストラリアへの移動は24時間の大移動となるが、今回の欧州視察でもその厳しさは話題となった様子。森保監督は「日本がブラジルに行くみたいなもの。それくらい大変なので、『次にいつ試合だ、どこで試合か』と次回の招集に関する話した時には、監督もチーム関係者もみんな渋い顔をしていた」と苦笑いで明かした。

(取材・文 竹内達也)
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