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J1王者のルーキー、U-19代表候補MF永長鷹虎が優れたテクニックと見る力で待望のゴール

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2本目32分、U-19日本代表候補MF永長鷹虎が左足シュートを決めて3-1

[3.2 練習試合 U-19日本代表候補 5-1 桐蔭横浜大 高円宮記念JFA夢フィールド]

 J1王者の注目ルーキーが、今後へ弾みをつけるゴールだ。2本目、MF永長鷹虎は所属する川崎Fと同じ4-3-3システムを組んだU-19日本代表候補の右サイドで出場。9分には自陣からのスピードに乗ったドリブルで相手ゴールライン近くまで運び、ラストパスへ持ち込んだ。

 その後も右サイドでのボールキープ、味方を活かすパスで攻撃を牽引した永長は、32分に待望のゴールを奪う。右SB藤井海和(流通経済大)からの折り返しを右中間でコントロールすると、左足を一閃。狭いニアサイドへシュートを叩き込んだ。

 ファーストタッチでドリブル、シュートも可能な位置へボールを置き、GKの動きを見てすかさずシュートを選択。優れたテクニック、見る力による素晴らしいゴールだった。「いつもやったらカットイン狙うんですけれども、GKが反応していて、軸足が動いていたのでそこを見て、ニアを狙いました」。本人とっては待望のゴールだったようだ。

 永長は興國高(大阪)に所属していた昨年、プリンスリーグ関西で得点を量産。12ゴールで得点王(他1名)に輝いている。得意とするカットインからの左足シュートや抜け出しに磨きをかけて、危険なサイドアタッカーへ変貌。だが、進路である川崎Fでは試合で思うようなプレーができても、結果を残せていなかったという。

「フロンターレのキャンプでも悪くなかったけれど、ゴールを取れていなくて……。得点の部分は自分の中で課題だったので、そこで1点決められたのは良かったです」。2点目のチャンスもあっただけに連発できなかったことは反省点だが、注目ドリブラーにとって今後に繋がる一撃となった。

 永長は今回のU-19日本代表候補合宿に参加しているMF佐野航大(岡山)や次世代の注目ドリブラーであるMF名願斗哉(履正社高)が「刺激を受けた選手」や「半端ないと感じた選手」としての名を挙げるほどの実力者。年代別日本代表候補初選出だった昨年は周囲に合わせようとしすぎて思うように力を発揮できなかった。

 だが、意識的にコミュニケーションを多く取りながら、自分を出すことも目指した今回の合宿では、鋭いドリブルを連発。また、この日は川崎Fで苦戦している守備面でも「2度追いや、切り替え、球際を自分は意識しているんで、今日は出せたので良かったと思います」という内容だった。守備での好プレーが攻撃にも好影響を及ぼし、タッチライン際での突破や華麗な足技を披露するシーンも。そして、ゴールも決めてその存在を印象づけた。

 冨樫剛一監督は自分から発信し、攻守両面で係ること、ピッチ内外でチームに係ることを求める。今回、前向きな姿勢で結果を残した永長は、常に自分の特長を出すことを目指す考えだ。

「自分のようなタイプはあまりいないと思うので、海外へ行っている三笘選手のようなところを目標にして、一人で打開できる選手になりたいと思います。アジアワールドカップの予選をやっていますけれども、どこの環境に変わっても、自分の力を出せるように日頃から練習していきたい」。J1王者での競争に立ち向かい、チャンスを掴むこと。Jでも、世界相手でも打開し、ゴールを奪う選手になる。

(取材・文 吉田太郎)
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