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W杯かかる大一番・豪州戦は“ぶっつけ本番”…27人全員練習「1回できるかどうか」

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森保一監督

 カタールワールドカップ出場権をかけた大一番のオーストラリア戦(24日)だが、まさに“ぶっつけ本番”での戦いを強いられそうだ。欧州組のシドニーへの移動は丸1日かかり、20日(日)に所属先のリーグ戦がある一部選手は試合前々日(22日)の練習に間に合わない可能性も浮上。27人全員でのトレーニングは試合前日(23日)にスタジアムで1時間程度行われる公式練習の1回のみとなる見込みで、普段以上に短い準備期間で戦い方の共有を行うことが求められる。

 メンバー発表会見に出席した日本サッカー協会(JFA)の反町康治技術委員長によると、欧州組は所属チームの試合が終わり次第、チャーター便ではなく定期便で個別にシドニー入りする予定。合流スケジュールについて「試合の前々日にはほとんどの選手が間に合う計算でいる。今のところのスケジュールでは前々日にはほとんどの選手が集合し、2日間準備することができる」と前向きに語っていた。

 それでもコロナ禍や国際情勢の影響を踏まえれば楽観視はできない。森保一監督は今回の活動に向け、ベンチ入り上限の23人に「各ポジション一人ずつ」を加えた27選手を招集。メンバー発表会見では選外となった選手への評価を問われて「本来であればもっと多くの選手を招集させてもらってチームを編成したい」とかわす場面もあったが、大量招集の背景には欧州組のスケジュール問題があるようだ。

 たとえば今回はGKに川島永嗣(ストラスブール)、権田修一(清水)、シュミット・ダニエル(シントトロイデン)、谷晃生(湘南)の4人を選出。GK4人体制は変則的に5試合が組まれていた昨年6月以来で、2試合での活動では異例のことだ。森保監督は会見の場で次のように理由を語った。

「これまでの代表活動でも今回招集させてもらった4人を多くの機会で招集させてもらっている。代表としての力を持っていることが大前提で招集させてもらっている。また今回は川島、シュミットに関しては試合直前の合流になってしまうので、(全員での)練習の機会が1回できるかどうかという集合になる。それまでの練習の機会は権田と谷に怪我などの問題がなければ、GK1人体制で過剰な負荷がかかるより、2人でトレーニングをすることでGK2人を使いながらのコンディショントレーニング、戦術的なトレーニングができるということも加味して招集した」。

 チーム合流が試合直前になるという川島は20日15時、シュミットは同21時(いずれも現地時間)にキックオフするリーグ戦に帯同予定。大半のトレーニングは国内組の権田と谷の2人で回すことになる。また、そうしたやりくりは他のポジションでも同様だとみられる。他の“日曜試合組”はDF吉田麻也(サンプドリア=12時30分)、MF伊東純也(ゲンク=13時30分)、MF久保建英(マジョルカ=14時)、MF柴崎岳(レガネス=18時15分)、MF南野拓実(リバプール=18時)。もし合流が遅れれば、先発選考への影響も避けられないメンバーだ。

 会見ではオーストラリア戦に向けて「われわれにとってアウェーの試合になるので、非常に厳しく難しい戦いになると思うが、われわれにもいい選手は揃っている。まずは自信を持って、われわれの持っている力を全て目の前の一戦で出し切って、勝利することを考えて戦いたい」と意気込んだ森保監督。まずはシドニーでの集合後、選手の合流スケジュールに応じたコンディションの見極めから戦いが始まる。

(取材・文 竹内達也)
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