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「旬な選手は積極起用」、U-21代表・大岩監督はすべてのパリ五輪世代にメッセージ「タフな選手でい続けてほしい」

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大岩剛監督

 2024年パリ五輪を目指す大岩剛監督のU-21日本代表が始動。今月23日から29日に行われるドバイカップU-23に参加し、初の国際大会を経験する。17日には招集メンバー27名が発表された。Jリーグで活躍する選手を中心に、海外組からも3選手が招集。パリ五輪世代のすべての選手に向け、大岩監督は「タフな選手でい続けてほしい」とその姿勢を求めた。

 大岩監督体制で初の国際大会に臨むU-21日本代表は、23日の第1戦でU-23クロアチア代表、26日の第2戦でU-23カタール代表と対戦し、29日に順位決定戦を行う。代表ウィークということもあり、招集メンバーには海外クラブでプレーする選手も選出。GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)、DF内野貴史(デュッセルドルフ)、MF斉藤光毅(ロンメル)の3選手がメンバー入りを果たした。

 7日から9日にかけて行われたトレーニングキャンプで招集された選手は、26名中16名が選ばれた。GK佐々木雅士(柏)、GK鈴木彩艶(浦和)、DF成瀬竣平(名古屋)、DF木村誠二(山形)、DF加藤聖(長崎)、DF馬場晴也(東京V)、DF半田陸(山形)、DF鈴木海音(栃木)、DFチェイス・アンリ(尚志高)、MF鮎川峻(広島)、MF山本理仁(東京V)、MF藤田譲瑠チマ(横浜FM)、MF田中聡(湘南)、MF甲田英將(名古屋)、FW藤尾翔太(徳島)、FW鈴木唯人(清水)が引き続きメンバーとなった。

 一方で、怪我やクラブ事情、Jリーグの試合日程でキャンプに招集されなかった面々も揃う。A代表招集歴もあるMF荒木遼太郎(鹿島)を始めとした8名で、荒木のほかに、DF大畑歩夢(浦和)、DF西尾隆矢(C大阪)、MF松村優太(鹿島)、MF川崎颯太(京都)、MF松木玖生(FC東京)、FW小田裕太郎(神戸)、FW細谷真大(柏)が新たに入った。

 大岩監督にとっての初陣だ。「ぜひともレベルの高いメンバーで参加したいという意向も各クラブに伝えさせていただきまして、それを汲み取っていただいた各クラブには非常に感謝をしているという気持ちでいます」と謝辞を述べる。「私に課せられていることは、日本代表の勝利」としつつ、「それが大前提としてあって、さまざまな対戦相手に対してしっかりと戦う姿勢を見せれる選手、あとはチームとしてはシステムも含めて、色んなポジションでしっかりとパフォーマンスを見せてもらう」と選手たちの適性を見ていくことも強調。その上でチーム力のアップを狙うようだ。

 24年開催のパリ五輪に向け、予選も含めるとベストメンバーでチームを整える時間は少ない。そのため、指揮官はこれまでの代表歴に問わず、好調な選手を積極的に起用する構えだ。今回も、代表未経験ながら今月デュッセルドルフ(ブンデス2部)でデビューを果たしたDF内野貴史を選出。「そのときに旬である選手、活躍している選手を可能であれば積極的に招集していきたい」と語った。

 大岩監督は以前から「A代表経由のオリンピック」というテーマを掲げる。今大会でも選手たちに「肉体的に精神的にもタフであってほしい」と求めている。

「それはアジア予選も含めてです。非常に過密な中でやりますし、当然選手ひとりとしてもタフでなければいけない。戦術的なところでいうと、今後彼らたちが色んなレベルの高いステージに上がったときには、どのポジションでも与えられるスピードであったり、技術的な要求であったり、戦術的な要求はたくさん出てくると思います。複数のポジションができるようであったり、チームとしての戦術理解、攻撃の戦術理解、守備の戦術理解というものは、しっかりとレベルの高いものを要求していきたい。それがA代表につながったり、個人個人の成長につながっていくと思いますので、そういう機会にもしていきたい」

 また、指揮官は今回未招集のパリ五輪世代たちにもメッセージも送る。今月のデンソーカップチャレンジにも足を運び、大学選抜や高校選抜を視察していた。発足当時に未招集ながら本大会直前の活躍で大抜擢されるケースは多い。東京五輪では、サガン鳥栖で活躍を残したFW林大地(現シントトロイデン)がバックアップメンバーに入ると、ほかの登録メンバーの不調により、第1戦・南アフリカ戦や第2戦・メキシコ戦に先発出場。攻守両面で大きく貢献してみせた。

 大岩監督は「この世代が決してゴールではないですし、当然サッカー選手であればA代表を目指しながら、日々努力をしていると思います。そういう意味で自分の成長につながることを日々やってもらいたい。A代表に入るつもりで日々努力をしてもらいたい」と前置きしつつ、「その中で、我々のパリオリンピックを目指すグループの目に留まるような活躍を見せてほしいですし、できれば技術的にも個人戦術的にも、メンタル的にも色んな面でタフであってほしいなと。タフな選手でい続けてほしい。そういう選手でいれば、必然的にこのグループに入ることになる」と語る。本大会まで残り2年。隠れた才能たちの台頭も、心待ちにしているようだ。

以下、ドバイカップ参加のU-21日本代表メンバー
■選手
▽GK
1 小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)
23 佐々木雅士(柏)
12 鈴木彩艶(浦和)

▽DF
17 成瀬竣平(名古屋)
18 内野貴史(デュッセルドルフ)
21 大畑歩夢(浦和)
2 西尾隆矢(C大阪)
16 木村誠二(山形)
14 加藤聖(長崎)
3 馬場晴也(東京V)
4 半田陸(山形)
25 鈴木海音(栃木)
27 チェイス・アンリ(尚志高)

▽MF
24 松村優太(鹿島)
15 川崎颯太(京都)
10 斉藤光毅(ロンメル)
26 鮎川峻(広島)
7 山本理仁(東京V)
6 藤田譲瑠チマ(横浜FM)
5 田中聡(湘南)
13 松木玖生(FC東京)
20 甲田英將(名古屋)

▽FW
22 藤尾翔太(徳島)
19 小田裕太郎(神戸)
11 細谷真大(柏)
9 鈴木唯人(清水)
8 荒木遼太郎(鹿島)

以下、U-21日本代表の今後の日程
3月23日
■ドバイカップU-23(UAE)第1戦
U-21代表 vs U-23クロアチア代表

3月26日
■ドバイカップU-23(UAE)第2戦
U-21代表 vs U-23カタール代表

3月29日
■ドバイカップU-23(UAE)順位決定戦
U-21代表 vs 未定

6月3日
■AFC U23アジア杯(タシケント)
U-21代表 22:00 UAE

6月6日
■AFC U23アジア杯(タシケント)
U-21代表 22:00 サウジアラビア

6月9日
■AFC U23アジア杯(タシケント)
U-21代表 22:00 タジキスタン

9月7日~25日
■アジア競技大会(中国・杭州)

(取材・文 石川祐介)
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