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U-21日本代表ドバイ杯U-23メンバー発表 大岩剛監督オンライン会見要旨

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大岩剛監督

 日本サッカー協会(JFA)は17日、オンラインで会見を行い、今月23日から行われるドバイカップU-23に参加するU-21日本代表メンバーを発表した。日本は23日の第1戦でU-23クロアチア代表と、26日の第2戦でU-23カタール代表と対戦。29日に順位決定戦を行う。

 メンバー発表会見では大岩剛監督が30分弱にわたり、質疑に答えた。要旨は以下のとおり。

──メンバー編成で苦労した部分、ポイントにした部分はあるか。
「ドバイ杯期間はIMD(インターナショナルマッチデー)だが、コロナ禍でいろいろなクラブ事情もあるし、協力的な姿勢を見せてくれた各クラブには非常に感謝をしている。この世代は海外遠征が2年ぶりで、非常に久しぶりの国際大会。ぜひとも非常にレベルの高いメンバーで参加したいという意向も各クラブに伝えさせていただき、それを汲み取っていただいた。J1、J2のスケジューリングもあるし、海外組の現状もしっかりと加味した上で、メンバーを選んだつもり。われわれが一歩前進をして、今後二歩三歩前進していくためのメンバーだと思って選出しているので、自信を持って彼らと一緒にドバイ杯を戦いたい」

──先日ブンデス2部でデビューしたばかりで、高卒から海外でプレーしていた内野貴史を選出した。その理由と、評価のポイントは。
「海外で活躍している選手はリサーチをたくさんしており、彼の場合は今季フォルトナ(・デュッセルドルフ)に入団して、U-23でプレーをしていた。ここ最近の彼への評価と、先日出場した試合を観ながら、JFAにも国際部というところがあるので職員からのリサーチであったり、田中碧もいるので、そういったところのコミュニケーションも含めて、手薄なポジションでもあるので、プレーぶりも評価した上で参加を要請した」

──五輪までベストメンバーを組める機会は少ない中、今大会は貴重な場になる。監督の中での位置づけは。
「招集回数は限られるが、先ほどの内野の話のように、国内外でそのとき旬である選手、活躍している選手を可能であれば積極的に招集していきたい。その中でしっかりと環境を整えてしっかりと成果を出すのが、われわれコーチングスタッフの役割。それも含めてチームビルディングで、コンセプトもビルディングしながら、チームをまとめ上げていく。ぜひそういう機会にしたい」

──アウェーの国際大会は選手を見極める場になる。見ていきたい部分は。
「過密スケジュールの中で、海外に行って連戦を戦い、そして帰って各クラブでまた活躍するという流れは、A代表でもあるべき姿と思っている。非常にタフな国際試合を経験できるということは非常に感謝しているし、選手たちにはしっかりとこの機会で、たくましさとタフさ、グループとしての戦術理解を高めてもらいたい」

──パリ五輪を見据えた上で、選手たちに要求したいところは何か。
「パリ五輪のアジア予選も含め、肉体的にも精神的にもタフであってほしいということ。非常に過密な中でやるため、選手ひとりとしてもタフでなければいけない。チームとしても、グループとしても、タフでなければいけない。それは大前提として選手たちには訴えていきたい。オン・ザ・ピッチの戦術的なところでは、今後彼らがいろんなレベルの高いステージに上がったときに、どのポジションでもスピードであったり、技術的な要求であったり、戦術的な要求はたくさん出てくる。複数のポジションができること、チームとしての戦術理解、攻撃の戦術理解、守備の戦術理解というものは、しっかりとレベルの高いものを要求していきたい。それがA代表につながったり、個人個人の成長につながる。そういう機会にもしていきたい」

──ゴールキーパー陣に求めることは。
「チームの中においてもGKというポジションは非常に特殊で、裏を返すと欠かすことのできないポジション。フィールドプレーヤーとの融合により、試合を通じてでしか得られないものはたくさんある。個人では普段試合には出られてはいないのかもしれないが、そういうところも含めて、しっかりとフィールドプレーヤーと戦術を共有する機会にしてもらいたい。小久保玲央ブライアンは、今回私が見るチームでは初めての招集になる。彼の海外の経験もしっかりとチームに落とし込んでほしい」

──リーダーシップが期待できる選手が多い中、それでもキャプテンは苦しいときに必要な存在。どういう基準で選ぶか。
「苦しいときに頼りになり、力を発揮でき、そしてチームを鼓舞できる。そういう選手にキャプテンを託したい。ただ、そういうメンタルを持った選手はたくさんいる。リーダーシップを取る姿を見たいし、おそらくタフで、今後の厳しい試合に向かっていける選手だと思う。そういう見極めもできたらいい」

──セットプレーのために、メンバー選びでどれくらい考慮したか。
「セットプレーは得点失点の比率が高く、非常に重要視している。今年からセットプレーの専任として菅原大介コーチが入り、今回の遠征も帯同してくれる。しっかりとコミュニケーションを取り、攻守において高さやバリエーションも含めて、セットプレーをわれわれの武器として持っていきたい」

──斉藤光毅の海外移籍からの成長はどう見ているか。
「彼が移籍してからもしっかりと見ている。最初怪我が多かったが、今年に入り、試合とともにコンディションは上がってきているという情報も得ている。ゲームにおけるパフォーマンスも映像で確認している。まだまだ彼本来のパフォーマンスとまでは行っていないが、ぜひこの世代の中心として、リーダーとして、このチームに加わってほしいと思い、招集した」

──招集外となった選手も多い。この世代の競争にどんなことを求め、期待するか。
「この世代の代表がゴールではないし、サッカー選手であればA代表を目指して日々努力をしているはず。自分の成長につながることを日々やってもらいたいし、A代表に入るつもりで日々努力してもらいたい。その中で、われわれのパリ五輪を目指すグループの目に留まるような活躍を見せてほしい。できれば技術的にも、個人戦術的にも、メンタル的にも、いろんな面でタフであってほしい。タフな選手でい続けてほしい。そういう選手でいれば、必然的にこのグループに入ることになる。それは年代問わず、どのカテゴリーで活躍している選手たちでも、国内外でも問わない」

──松木玖生を招集した意図や狙いは。
「先日のトレーニングキャンプでは、コンディションのところで、クラブも感染者が増えた影響で活動がままならない状況だったので、招集を見送った。直近のゲームも含めて、彼の質の高さ、チームにおけるパフォーマンスを見て、今回われわれのグループにぜひ参加してほしいと招集させてもらった」

──高卒ルーキーながら、早い段階での松木の活躍はどう見ているか。
「彼が自チームで活躍していることはもちろん評価しているが、個人的には昨年U-18日本代表候補を指導したときから、彼をずっと見てきた。彼がどのレベルの選手で、どのように成長しているのかはずっと追っている。いま活躍している、旬であるのはもちろん、昨年からの彼のサッカーに対する振る舞いは非常に高く評価している。それだけではないが、われわれのグループでやっていけると、やっていってほしいと期待を込めて、招集させてもらった」

──松木は高卒ながらJ1のスタメンで出ている。海外組との噛み合わせで期待する部分は。
「彼個人でいえば、高校を卒業して海外のクラブへという希望がありながら、いまは国内で活躍している。そういう彼の向上心は非常に大きな武器であり、海外クラブから来る選手との関係性でも高いレベルで融合していけるはず。その姿勢や発言が、おそらくチームを高いレベルに引き上げてくれるだろうと期待している。レベルの高いプレーを見せ続けるタフさも備わっていると思う。そこに期待したい」

──選手を試すためにあえて違うポジションで起用するか、または連戦で起用するか、3試合連戦で途中出場させるか、テストではなく3試合全部勝ちに行くか。選手のどういうタフさを見ようとしているか。
「それは全部です。就任会見でも言ったが、私に課せられていることは日本代表の勝利。それが大前提としてあり、その中で最大3試合を戦う。初戦はクロアチアだが、このメンバーでさまざまな対戦相手に挑む中、そういう相手にしっかりと戦う姿勢を見せられるか。チームとして、いろんなポジションでしっかりとパフォーマンスを見せられるか。そういうところの見極めとチーム力のアップを並行しながら、選手起用を考えていきたい」

(取材・文 石川祐介)
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