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ロス五輪世代のU-17代表は雨中で奮闘も、「J-VILLAGE CUP U18」初戦黒星。巻き返して底力示すか

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MF廣井蘭人(帝京長岡高)らがゴール目指すも、U-17日本代表は0-1で黒星スタートに

[3.18 J-VILLAGE CUP U18 U-17日本代表 0-1 尚志高 Jヴィレッジ]

 18日、福島県のJヴィレッジにて、第4回 J-VILLAGE CUP U18が開幕した。流通経済大柏高(千葉)や尚志高(福島)、京都橘高(京都)、昌平高(埼玉)、帝京長岡高(新潟)といった高校サッカーの強豪や、清水エスエスパルスユース(静岡)や川崎フロンターレU-18(神奈川)のような高円宮杯プレミアリーグに所属するチームも参戦したほか、U-17日本代表もエントリーした。

 新高校2年生を主体に早生まれの新高校3年生を加える形で編成された今回のU-17代表。2005年1月1日以降生まれというカテゴリーは、レギュレーションの変更がなければ「6年後のロサンゼルス五輪における最年長世代であり、その中心になっていくべき年代の選手たち」(山本昌邦技術副委員長)である。コロナ禍の影響で活動が制限されてきたために、「まだまだ強化が足りない」(同副委員長)年代だからこそ、こうした大会への参加を通じて、代表選手としての意識を醸成しつつ、実戦を通じての成長を図る機会とする考えだった。

 大会会場のJヴィレッジで合宿を張って大会に臨んだU-17日本代表は、本来であれば心身共に万全の仕上がりとなる流れである。ところが、試合前々日の夜に震度6強の地震が直撃。全員で廊下に退避し一夜を過ごし、精神的な意味でもコンディションという意味でも、「非常に難しい状態」(冨樫剛一監督)となってしまった。

 こうして臨んだ18日の尚志戦は、みぞれ混じりの雨模様で春とは思えぬ寒さの中での試合に。先発のピッチに立った11人は、GK小林将天(FC東京U-18)、DFに舩木大輔(横浜FMユース)、市原吏音(大宮U18)、尾崎凱琉(大阪桐蔭高)、飯田陸斗(京都U-18)、中盤はアンカーに林奏太朗(鳥栖U-18)、その前に大関友翔(川崎F U-18)、廣井蘭人(帝京長岡高)、3トップに早川隼平(浦和ユース)、後藤啓介(磐田U-18)、鈴木陽人(名古屋U-18)が入った。

 試合は序盤からやや硬い展開に。U-17代表はボールを動かす意識こそ高いものの、尚志の守備を切り崩すには至らない。逆に尚志の得意とするサイド攻撃を受ける場面もあり、前半33分には尚志FW網代陽勇の得点を許してしまい、なかなか攻守のリズムを掴めないままハーフタイムを迎えることとなった。

 冨樫監督は後半から2ボランチの形に改めて攻守のバランスを修正。また選手たち個々の気持ちもリフレッシュされて積極的なプレーが増え、攻撃が噛み合うシーンが次々に生まれる。FW後藤に幾度も決定機が訪れるなど相手ゴールに迫る流れとなったが、安定した対応を見せたGK鮎澤太陽を含む尚志守備陣は辛抱強く対応し、ゴールは生まれない。

 U-16代表は交代出場のFW安藤阿雄依(清水ユース)が得意のドリブルで脅威となるなど前半から大きく改善されたチームパフォーマンスとなったが、結果は0-1。敗戦でのスタートとなった。冨樫監督は万全の状態でないながらも奮戦した選手たちを労いつつ、「ここからまたやっていきたい」と改めて力を込める。代表チームとしての実戦機会が少なかった世代だからこそ、敗戦後の巻き返しで底力を示す必要がある。

「ロス五輪世代」のJ-VILLAGE CUP U18は、19日の横浜FCユース戦、20日のU-17日本高校サッカー選抜戦、そして21日の順位決定戦と続いていくこととなる。

尚志高が1-0で勝利

(取材・文 川端暁彦)

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