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豪州倒して“僕の愛するW杯”へ。35歳長友佑都が熱弁「出れば出るほどW杯の魅力に惹かれてしまって…」

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日本代表DF長友佑都(FC東京)

 日本代表DF長友佑都(FC東京)がカタールW杯最終予選の大一番を前に、ワールドカップへの思いを熱く語った。「子供の頃からW杯に出たいという夢を抱いてやってきたけど、出れば出るほどワールドカップの魅力に惹かれてしまって、今では子供の頃より、生きてきた中で一番W杯に出たい思いが強い。それくらい大きな場所であり、僕の愛するW杯に4回目、出たい」。勝てば本大会出場が決まるオーストラリア戦へ。アウェーの厳しい戦いでも勝利を宣言した。

 今季序盤はコンディション不良で出遅れた長友だが、19日のJ1第5節・京都戦で今季初の90分フル出場。W杯最終予選の大一番になんとか間に合わせた。「コンディションは前回のほうが断然難しかった」とシーズン開幕前の1・2月シリーズ2試合を振り返った長友は「(1月の)サウジアラビア戦も体が動いたし、皆さんが僕の心に火をつけたのもあった。今回は試合も90分やってきたので問題ない」と力強く語り、代表でのフル稼働に向けて自信を示した。

 2009年の南アフリカ大会予選で敗れて以降、敵地のオーストラリア戦では2分1敗と勝利がない日本。今回は引き分けでも出場権争いで大きく優位に立つことができるが、長友は「この試合に勝ってW杯を決めたい。その気持ちだけ。引き分けとかそういうことは全く考えず、勝ちにこだわって、チーム一丸となって戦いたい」と勝利だけを見据えている。

 その根拠は、直近5試合でわずか1失点という堅守だ。その5試合ともに先発出場した長友は「基本的にいま守備がすごく安定しているし、チーム全体として守備が安定している。失点もここ5試合で1失点だけ」と強調。「そのベースを引き続き気を引き締めてやるところと、体格に身長もそういう部分の空中戦の対策はしっかりと心がけてやっていきたい。完全に勝てなくても体をぶつけて自由にさせないとか、技術の部分は発揮しないといけない」と相手の長所にも配慮しつつ、心の準備を進めていく構えだ。

 今回はDF酒井宏樹(浦和)が負傷のため招集を辞退し、右サイドバックに欠員が発生。左サイドバックはDF中山雄太(ズウォレ)が台頭していることもあり、今季FC東京で右サイドバックを務めている長友とDF山根視来(川崎F)との出番争いが繰り広げられることも想定できる。その場合、長友にとっては本職ではないポジションでのサバイバルとなるが、「求められればチームに貢献することだけ」とキッパリ。「クラブでも右でやっているのでどちらでも問題ない」と述べ、スクランブル体制にも柔軟に合わせていく姿勢を見せた。

 国内組の長友はこの日、先着組としてシドニー入りしたが、欧州組の合流は普段の活動より大幅に遅れる見込み。「みんなが集まって練習できるのは1日だけ。その中でどれくらいのものを伝えられるか分からないけど、ただやっぱり自分たちは行けるんだ、強いんだ、戦えるんだということをポジティブな雰囲気を作れるように意識してやっていきたい」と意気込む長友は戦術的なコミュニケーションも欠かすつもりはない。

「森保さんになってから3年半くらいですかね。積み重ねてきたものを出すというところと、選手がどの形で誰が出るか分からないので選手のストロングを活かせるような形にしたい。僕だったら自分が出た場合、周りにこの選手が出たらこういうサポートをできたらとか、位置取りが変わってくる。誰が出るか分からないけど、個人個人でしっかり話し合っていきたい」。さまざまな困難が立ちはだかるアウェーでのオーストラリア戦。不屈の35歳はピッチ内外で経験を発揮し、日本を7大会連続のW杯に導いていくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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