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冨安不在もどっしり構えるDF谷口彰悟「良い状態で合流できた」

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日本代表DF谷口彰悟(川崎F)

 充実感が表情からも見て取れる。1月27日の中国戦でW杯最終予選デビューを果たし、2月1日の同サウジアラビア戦でもフル出場した日本代表DF谷口彰悟(川崎F)が、オーストラリアとの大一番のために現地入りし、「コンディションは良い感覚でできている。良い状態で代表に合流できた」と胸を張るように言った。

 吉田麻也と冨安健洋の“DFビッグ2”が負傷で活動に参加できなかった1、2月のW杯アジア最終予選2連戦を、いずれも無失点で勝利した立役者だ。森保一監督はサウジアラビア戦後に「いま持っている最高のパフォーマンスを出してくれた」と感謝を込めて高く評価。今回は吉田が復帰したが、冨安はまたしても不在とあって、オーストラリアとの戦いを前に、谷口にかかる期待は大きい。

 けれども谷口自身はどっしりと構えている様子だ。プレッシャーを感じているというよりは戦いを楽しみにしているようでもある。背景にあるのは積み重ねてきた努力が実を結んでいるという充実感だろう。

 2017年から昨年までの5年間に4度もリーグ優勝を果たしている川崎Fで、現在キャプテンを務めているベテランの谷口だが、昨年6月に森保ジャパンに初招集されたことによる新たな刺激も自信につながっている。

 当時は17年12月以来3年半ぶりの日本代表で、親善試合のセルビア戦などに出場。「久々に呼ばれるまでの間も、自分になにが足りないかを考え、もっと成長しなければいけない部分があると考えながらやっていたし、6月のセルビア戦で、代表として海外の国と戦う難しさや感覚の違いをあらためて感じることができて、よりレベルや基準が自分の中で明確になった」。

 その後はJリーグでの戦いでも、より高い基準を自分で定めてプレーするようになった。さらに、今年1、2月のW杯最終予選を経験したことにより意識がもっと高まった。一方で、欧州のトップリーグでプレーする吉田や冨安を見て学んできたこともある。「水を漏らさない作業、隙を与えない姿勢、そういったところはすごく勉強になっている」。そう語る表情には、最終予選の先を見据える鋭い視線が浮かんでいた。

(取材・文 矢内由美子)

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