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大一番で代表復帰! “日本の切り札”三笘薫「この試合で今後のサッカー界も変わる」

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MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

 昨年11月のオマーン戦で鮮烈なA代表デビューを飾ったMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)が、待望の日本代表復帰を果たした。今回の舞台はカタールW杯出場権をかけた大一番。「代表の未来が決まる試合」と覚悟をのぞかせたドリブラーは「この試合で今後のサッカー界も変わると思うので、自分だけでなく全ての人がいい方向に向かえる試合にしたい」と意気込みを語った。

 東京五輪代表の三笘は昨年11月、カタールW杯アジア最終予選オマーン戦の後半からA代表デビュー。開始直後のファーストプレーから積極的な仕掛けを見せると、0-0で迎えた後半36分にMF伊東純也(ゲンク)のゴールをアシストし、最終予選を優位に進める勝ち点3をもたらした。ところが今年の初め、三笘はシーズン中断期間の練習試合で足首を負傷し、約1か月半の離脱を経験。前回の最終予選2試合は招集外となっていた。

 A代表経験こそわずか1試合だが、前回の活躍ぶりを見れば“満を持して”の代表復帰。個人で局面を打開できるドリブラーは他に候補がおらず、出場の可能性は高そうだ。とりわけ24日に控えるオーストラリア戦は勝てばW杯出場が決定、引き分けならば2位キープ、敗戦なら3位転落という大一番。同点から勝ちに行く状況、ビハインドから追いかける状況になれば、真っ先に使いたい“切り札”となる。

 そうした役割は自身もしっかり認識。「前回のオマーン戦でも途中からの出場は慣れているし、流れを変えるプレーを求められていると思うので、そういうところを出せれば」と意気込みを述べた三笘は「1分間でも結果を残さないといけない世界。何分でもプレーできればその中で自分のプレーを出したい」とここぞという場面での投入に備え、神経を研ぎ澄ませている。

 ベルギーでは首位を走るロイヤル・ユニオン・サンジロワーズでは、日本で務めていたウイングより低いウイングバックのポジションも経験。「仕掛ける位置は低くなるし、ボールロストでピンチになる回数が増える。抜きに行くところと運ぶドリブルを考えながらやっている」「相手の足が伸びてくるので、日本より早めに遠い状況からでも仕掛けるようになった」と工夫をしながら、自身のプレーの幅を広げてきた。そうして身につけてきた強度の高さは、このオーストラリア戦でも生きるはずだ。

 三笘にとってW杯は「ワールドカップで活躍すれば選手の価値が決まってくる。それほど大きな大会はチャンピオンズリーグくらい。サッカー選手にとって一番大きな舞台だし、サッカー人生を振り返った時に一番思い浮かぶのがそこだと思っている」という夢舞台。「4年に一度ということで極限の緊張感があると思うし、90分が1試合終わってしまうのは同じなので、出し切れないとすぐに終わってしまう。そこに持っていく集中力、コンディションが大切になる。1試合で日本サッカーも決まってくる重みがある」と想像をめぐらせる。

 その舞台にたどり着くためには、三笘にとっても目の前の一戦が重要。「試合に出なくても日本が勝利できればいい」と冷静に語った24歳は、同時にさまざまなものを背負う覚悟も口にした。「先輩たちがつないできた結果を自分たちがつなぐためにも、自分たちの未来のためにも、僕自身の夢のためにも、いろんな人の思いがかかっている試合。後悔なくプレーして勝利できればいい」。日本サッカーの未来を切り拓くため、三笘薫はオーストラリアのピッチに立つ。

(取材・文 竹内達也)
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