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チームメートも認める“豪州キラー”FW浅野拓磨、W杯出場決定弾へ「僕自身が一番期待している」

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オンライン取材に応じたFW浅野拓磨(ボーフム)

 ドイツからオーストラリアへの丸一日がかりの地球半周移動もなんの、日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)が大一番に向けて闘志をギラつかせている。

「コンディションは良い。ゴールを取ってチームを勝ちに導きたい気持ちが大きい。シドニーで合宿中の浅野がオンライン取材に応じ、意気込みを語った。

 チームメートからも「オーストラリア・キラー」と呼ばれている。負ければW杯出場が遠のいてしまう、引き分けでも厳しさが増すという状況で迎えた昨年10月12日のオーストラリア戦(埼玉スタジアム)。1-1だった後半33分から途中出場した浅野が誘発したオウンゴールは、「浅野拓磨」の名を記憶だけでなく記録にも残してほしいほどの一撃だった。浅野の爆発的なスピードで誘発したオウンゴールだった。日本はこの得点で2-1と勝ち越し、首をつないだ。

 浅野は17年8月31日に埼玉スタジアムで行われたW杯アジア最終予選オーストラリア戦では先制点を記録。日本が2-0で勝利し、ロシアW杯出場を決めている。「オーストラリア・キラー」と呼ばれていることについて聞かれると、「オーストラリアに強いという自覚はなく、すべては結果が物語る。チームメートもオーストラリア・キラーと言ってくれる人がいるし、そういう言葉をもらえるように準備するだけ」と冷静に受け止めつつ、こう言った。

「期待してくれている方も少なからずいると思うけど、僕自身が一番期待しているし、自分が決めてやるという気持ちで準備している」

 2018年ロシアW杯は大会直前まで候補入りしていたが、5月30日の親善試合ガーナ戦後にふるい落とされてメンバー入りできず、自身のSNSで「悔しい。努力をして夢が叶う人と努力をしても夢が叶わない人。自分はたとえ叶わない人だとしても、この先自分が目指してることに対して1%でも可能性があるならそれに向かって走り続けるだろう」と心境を投稿した。

 それから4年。「自分自身、成長してきて、感じ方は前回の代表と僕自身は違うかなと思う。年齢(27歳)もそれなりになっている。ただ、やるべきことを100パーセントやるというのは以前と変わらない」と語る落ち着いた口調の裏に、W杯出場へ懸ける強い思いを持っている。

 FW大迫勇也に続いて、FW前田大然の不参加も決定し、浅野への期待はさらに膨らむが、自身だけに目を向ける姿勢は変わらない。

「一番強いのはなんとしてでも自分がいきたいということ。人のことは考えられないくらい自分自身に集中している」

 4年前の悔しさを晴らすために最低限必要なのは日本がW杯出場権を獲得すること。勝てば自力で出場を決められるシチュエーションで、自身のゴールで日本を勝利に導くつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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