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東京五輪世代からの大きな刺激…バトン受けた“パリ五輪世代”U-21代表MF山本理仁「あの舞台でやりたい」

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MF山本理仁 ※写真は国内キャンプのもの

 U-21日本代表は、2024年パリ五輪に向け、いよいよ実戦の初陣へ。23日開幕のドバイカップU-23に参加する。東京ヴェルディのMF山本理仁はオンライン取材で「海外の代表チームと真剣勝負でやれるひさしぶりの機会なので、すごく楽しみです」と目を光らせた。

 年代別代表の常連としてコンスタントに呼ばれ続けた山本。今月上旬のU-21候補合宿から、大岩剛監督体制初の国際大会メンバーにも名を連ねた。「海外遠征のメンバーに入れたことは素直にうれしいです」。中盤での攻守の要は、J2開幕から全5試合フル出場して1得点。今大会でも自らの持ち味を発揮しつつ「その中でチャンスがあれば得点やアシストをできるのが自分の良さ。チームの勝利が第一ですけど、そこでも貢献できたら」と結果を残すことも意識する。

 山本の世代はコロナ禍の煽りを受けた世代だ。2021年U-20ワールドカップは、代表候補キャンプ中に中止が決定し、アジア予選も含めて国際大会に挑む機会を失った。19年以降は海外の選手と対戦する機会もなく、今大会はひさびさの海外遠征。「2年半ぶり、3年ぶりくらいに海外の選手とやる上で、どれくらい成長して、どれくらい戦えるのか。自分の中でひとつの楽しみでもあるなと感じています」。U-21日本代表メンバーとして、自らの成長を確かめる場に喜びを表した。

「自分の中で悩んでいた時期」だったというのは、昨夏のこと。しかし、そこで大きな刺激を受けたのは、東京五輪代表のトレーニングパートナーに選ばれたことだという。

「自分の中で悩んでいた時期でもあったので、そこで得たものは大きかった。東京オリンピックのような舞台でやりたいという強い気持ちもありますし、すごく近くで見させてもらって、あの舞台で日本が優勝できたら相当気持ちいいなってすごく感じた。そこを目指してやっていきたいなと思いました」

 大舞台に挑む東京五輪代表は「ピリピリ感は自分が今までサッカーやってきた中でも段違い」。海外組とのデュエルも体感し、さらなる高みをイメージできた。特に印象に残ったのはMF田中碧(デュッセルドルフ)。「自分とタイプが似ているというか、ボランチの選手で、攻撃をコントロールする選手。背後のスペースがよく見えていて、すごい周りの察知能力が、長けているなと感じた。判断スピードとか見習わなきゃいけない。それを間近で見れたっていうのは、自分の財産になったと思います」。

 今月から大岩監督のもとで代表活動の指導を受ける。指揮官は「パリ五輪経由のA代表ではなく、A代表経由のパリ五輪」を強調。山本は「深く印象に残りましたし、そういう気持ちで本気でやっていかないと、このチームには残っていけないんだろうなっていう危機感を覚えた」と語る。心待ちにした国際大会、ドバイ杯U-23は3連戦。自らの出番が来たそのとき、真価発揮を目指す。

(取材・文 石川祐介)
▼ドバイカップU-23 2022特集ページ

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