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「日の丸を背負って戦えてうれしかった」、“旬な男”デュッセルドルフ内野貴史がU-21代表としてピッチへ

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DF内野貴史(デュッセルドルフ)

[3.23 ドバイ杯U-23第1戦 U-21日本 1-0 U-23クロアチア ドバイ]

 世代別代表にも選ばれたことがなかった男が、パリ五輪世代の初陣でピッチに降り立った。DF内野貴史(デュッセルドルフ)はハーフタイムから出場。右サイドで45分間を走り切り、「日の丸を背負って戦うという目標が達成でき、素直にうれしかった」と喜びを語った。

 現在はブンデスリーガ2部のデュッセルドルフでプレー。柏レイソルU-12、ジェフユナイテッド千葉U-15・U-18を経て、2018年の高校卒業後はドイツに渡り、デューレンの育成組織に入る。19年にはアーヘンの育成組織に移籍し、昨季はレギオナルリーガ・ウェスト(4部相当)で35試合に出場。今季からデュッセルドルフの育成組織に入り、4部リーグでプレーしていたが、新型コロナウイルスの感染者が相次いだトップチームから招集がかかる。今月12日のパダーボルン戦で先発に抜擢され、ブンデス2部デビューを飾っていた。

 2017年愛媛国体で千葉県代表の主将を務めたものの、全カテゴリーでも日本代表の招集経験はなく初選出。そして初陣でベンチスタートとなると、後半45分間で出場を果たした。終了間際には口内を出血も問題なし。オンライン取材で笑顔で試合を振り返った。

 日本代表として戦った後、内野は「日の丸を背負って戦うというのは、ずっと目標にしてやってきたこと。きょう目標を達成できて、素直にうれしかったです」と気持ちを語る。「積み上げてきている確信はついているんですけど、まだ日本でもドイツでも、何か成し遂げているわけではない。まだ上に向かっている途中なので。今日も試合に入るときには失うものなんてないと割り切った気持ちで、ただ100%でやるっていうことだけ意識してやりました」。代表経験がないというプレッシャーの無さが、いい方向にも働いたようだ。

 だが、最初からお客様でいるつもりもない。「日の丸をつけて戦う以上、どれだけチームのために、国のために戦えるのかっていうのがまず一番大事。ミスしてもチームとしてみんなでやろうと、そういうメンタルをチームに落とし込もうと意識してやっていました」。大岩剛監督は「旬な選手は積極起用」と語っていた。いま一番脂の乗った内野が、チームで化学反応を起こせるか。

(取材・文 石川祐介)
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