[3.24 W杯最終予選 日本2-0オーストラリア シドニー]

　“川崎Fホットライン”が日本代表のW杯出場決定弾を生んだ。フル出場でカタール切符獲得に貢献したDF山根視来(川崎F)は「勝ってこんなに嬉しいのは久しぶりというくらい嬉しかった」と安堵の表情で喜びを口にした。

　オーストラリア戦直前にDF酒井宏樹(浦和)が負傷離脱。大一番で森保ジャパンの右サイドバックを務めた山根は「プレッシャーをすごく感じていましたが、何回も『逃げるな』と自分の中で言い続けた。得点かアシスト、絶対に自分の強みを出すと決めていた。リスクがあってもゴール前に入って行くと決めていた」。その決意をピッチ上で表現し、結実させたのは終了間際だった。

　スコアレスで迎えた後半45分。MF守田英正(サンタ・クララ)に預けた山根は鋭くPA内に走り込んでリターンを呼び込み、ゴールライン際からマイナス方向にラストパス。走り込んだMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)が右足ダイレクトで押し込み、待望の先制点を陥れた。

「横目で守田と目があった時、後ろに隠れてたんですが、前に入ってくるという確信があった。感覚だけでアウトで出して、もう一回当てて入っていく、川崎でずっとやってきたことを表現した。クロスは薫が絶対にあそこにいると思っていたので、無理な体勢でも無理やり上げて、薫が決めてくれた」

　フロンターレ時代の連携を生かし、“阿吽の呼吸”で陥れた会心の一撃だ。「1年半、薫と一緒にやりましたが、あいつが入ってくるポイントと僕が入るポイントは意思疎通がずっとできていた。今日はそれがゴールにつながったので良かったです」と力を込めた。

　Jの舞台で磨きをかけたコンビネーション。最終予選でもその“ホットライン”は効力を発揮し、森保ジャパンにカタール切符をもたらした。大一番で“らしさ”を発揮した山根は「一緒にやっていたからこそのアドバンテージが、オーストラリアの守備陣を上回ったのかなと思う」と胸を張った。

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