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パリ五輪世代はW杯出場決定から刺激得る、大岩監督「A代表に負けないようなグループに」

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パリ五輪世代のU-21日本代表

 パリ五輪世代のU-21日本代表は26日、ドバイカップU-23の第2戦でU-23カタール代表と対戦する。24日には日本代表が7大会連続のW杯出場が決定。大岩剛監督は25日のオンライン取材で日本代表の快挙に言及し、「A代表に負けないようなグループにしていきたい」と語った。

 U-21日本代表は23日の第1戦でU-23クロアチア代表と対戦。終始ボールを握るものの、得点が奪えなかったが、試合終盤に待望の先制ゴール。1-0の勝利で大岩監督体制の初陣を白星で飾った。

 パリ五輪世代がドバイで戦う一方、カタールW杯出場を懸けた戦いがオーストラリアで行われた。日本代表は24日のカタールW杯アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦。勝利すれば本大会出場が決定する中、日本は三笘薫の2ゴールで接戦を制す。逆境に苦しんだ最終予選の半年間の終盤で、大きな成果を手にした。

 大岩監督は日ごろから「A代表経由のパリ五輪」を強調。A代表入りをするほどのレベルアップをした上で、2024年パリ五輪に臨むことを選手たちに求めている。今回のA代表について「ぎりぎりの戦いでいろんなプレッシャーがあったはず」と見解を述べた。

「気候、環境、試合までのアプローチすべて、またピッチの中に入ったときには相手との駆け引き、戦いも。そういうものにサッカー選手としての大きさすべてが関わって、舞台に立って勝つという偉業を成し遂げる。そこに向かう道は一筋縄ではいかないですし、一足飛びにはいかない。だからこそ、われわれは一つひとつの試合や練習で、ああいう刺激を受けながら、ああいう選手たちを目指していかないといけない」

 A代表自体も最終予選で変化と成長を遂げ、快挙を果たした。「どういう選手がチームとして必要されるのか、力を発揮できるのか。どんな環境でも、どんなシステムでも、どんな戦術でも、自分の力を出せる、というプレーヤーをしっかりと見極めて、育てていきたい。A代表に負けないようなグループにしていきたいなと思いますね」。大岩監督も指揮官として大きな刺激を受けたようだ。

 パリ五輪世代たちの様子も、W杯出場決定の試合を経て変わったという。

 同日に行われたオンライン取材で、DF半田陸(山形)は「東京五輪世代の選手たちが活躍して、W杯出場を決めた。若いうちからああいう舞台を意識してやらなきゃいけないと感じたし、ああいう舞台でも力を発揮できるように、こういう遠征も一つひとつ大事にしたい」と語る。FW細谷真大(柏)も「三笘選手には刺激をもらった感じです。いまは点を取り続けること、勝利に貢献できることが、一番の近道。今はここでやれることをやっていきたいと思っています」と前を見据えていた。

 大岩監督は選手たちにも話をしつつ、「言われてから、見てからでは遅いので、気づいてそれを行動に移すことが大事。何かに刺激されることも大事ですけど、気づいて自分自身で変えていく選手であってほしいなとも思いますね」とパリ五輪世代の背中を後押しする。

 U-21日本代表にはすでにJ1クラブで活躍する選手も多く、A代表招集歴がある者もいる。メディアからは期待の声が挙がる中、指揮官は周囲の声で成長を止めることがないように喚起する。

「常々言っているのは、ミスを怖れるのがミスということ。ミスして自分で気づいて修正する、それを繰り返していくことによって、レベルは必然的に上がる。みんなから期待されていますけど、(鈴木)唯人や(藤田)譲瑠(チマ)、サイドバックの半田も、A代表に負けない資質は持っている。まだまだやれるし、変に限界線を作らないようにやってほしい。それはすべての選手に言えることです。報道でもみなさんに期待されている選手たちですが、まだまだできる。もっともっとやってほしいと思います」

 大岩監督自身も久しぶりの現場復帰。23日の第1戦クロアチア戦では「君が代を聞いて、本当に感慨深いものがあった。選手と一緒に戦うという気持ちは鹿島時代を思い出した」と振り返る。A代表の活躍から大きな刺激を受け取ったU-21日本代表。26日の第2戦カタール戦では、さらなる躍動に期待が懸かる。

■選手
▽GK
1 小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)※1
23 佐々木雅士(柏)
12 鈴木彩艶(浦和)

▽DF
17 成瀬竣平(名古屋)
18 内野貴史(デュッセルドルフ)※1
21 大畑歩夢(浦和/負傷により不参加)
2 西尾隆矢(C大阪)
16 木村誠二(山形)※3
14 加藤聖(長崎)※2
3 馬場晴也(東京V)
4 半田陸(山形)※3
25 鈴木海音(栃木)※2
27 チェイス・アンリ(尚志高)

▽MF
24 松村優太(鹿島)
15 川崎颯太(京都)
10 斉藤光毅(ロンメル)※1
26 鮎川峻(広島/負傷により不参加)
7 山本理仁(東京V)
6 藤田譲瑠チマ(横浜FM)
5 田中聡(湘南)
13 松木玖生(FC東京)※4
20 甲田英將(名古屋)※4

▽FW
22 藤尾翔太(徳島)※4
19 小田裕太郎(神戸)
11 細谷真大(柏)
9 鈴木唯人(清水)
8 荒木遼太郎(鹿島)

※1:ドバイで合流、解散
※2:22日にドバイで合流
※3:22日にドバイで合流、27日に離脱
※4:27日に離脱

(取材・文 石川祐介)
▼ドバイカップU-23 2022特集ページ

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