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一躍“救世主”の三笘薫、ベトナム戦へ闘志全開「スタメンでもできることを証明したい」

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MF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)

 日本代表をカタールW杯に導く2ゴールを決めたMF三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)が26日、報道陣のオンライン取材に応じ、「すごく嬉しい気持ちと、(試合後は)現実なのか分からないくらいな感じだったけど、すごく実感してきて、あらためて貢献できて良かったなと思う」と現在の心境を語った。

 昨年11月に続いて2度目のA代表招集となった三笘は24日の最終予選オーストラリア戦で、0-0で迎えた後半39分から途中出場。カタールW杯出場決定には勝ちが必要な中、後半44分にDF山根視来(川崎F)からの折り返しを沈めて先制点を奪うと、後半45+4分には持ち味の鋭いドリブル突破から相手GKの腕を弾く強烈な右足シュートを叩き込み、“救世主”的な大活躍で2-0での劇的勝利に導いた。

「今日の試合で出場権を決めるということのは全選手が思っていたと思うし、共通理解があった。攻撃的に行く意識は持っていたし、そういう矢印を持っていたのが良かった。結果を出さないといけないと思っていたし、そう臨んでいた」。ほぼラストプレーでの2点目でも、時間稼ぎには向かわず単独突破を選択。「前への推進力への意識がそういうプレーになった。2点目は行かなくていいというところもあったと思うけど、身体がそういうふうに動いた」。果敢な姿勢が日本代表に欠けがちだった躍動感をもたらした。

 三笘はA代表デビューを果たした昨年11月のオマーン戦(○1-0)でも終盤にMF伊東純也(ゲンク)のゴールをお膳立てしており、A代表通算2試合にして早くも2ゴール1アシスト。あまりのパフォーマンスに、早くもスタメン定着を願う声が高まっている。その中で迎える29日のベトナム戦(埼玉)。三笘はそんな期待を背負うかのごとく、力強く意気込みを語った。

「それぞれの監督の意図があると思うし、僕はまだ招集されて2回目。攻撃のアクセントになるプレーヤーなので、スペースが空いた時に生きるタイプなのはわかっている。ただ、前半からでもできるところを示さないといけない。まだそのチャンスは回ってきていないので、回ってきた時にどれだけできるかが大事になる」

 そうした取り組みは、昨年夏まで所属していた川崎Fでも経験してきたものだ。プロ1年目の20年は出場30試合中19試合が途中出場だったにもかかわらず、13ゴール(うち途中出場から8ゴール)を記録し、先発出場中心で20試合8ゴールを挙げた21年前半戦の飛躍につなげた。日本代表でも同様のステップアップが期待される。

「フロンターレでも途中から結果を出してスタメンになったし、勝ち続けることでスタメンを維持できる。次にスタメンで出た時に勝利できるかが大事だし、またそのプレーの内容によっても勝利できるかが決まると思う」。当時の“再現”を狙った三笘にとって、ベトナム戦は勝負の一戦。「W杯出場権は決まったけど、決まっていないくらいの意気込みでやらないといけない。スタメンでもできることを証明したい」。3日間の準備期間でアピールし、A代表初先発へ。出番に飢えた男に“消化試合”はない。

(取材・文 竹内達也)
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