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成長へとつなげた4か月前の“後悔”…山根視来「こうした方が良かったという反省があった」

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日本代表DF山根視来

 2日前、カタールW杯出場を決めた一戦。スターティングメンバーに名を連ねた日本代表DF山根視来(川崎F)はフル出場を果たし、“その瞬間”をピッチ上で迎えた。これまでの自身の経験を振り返ると、その場に立っていることを「リアルに想像するのは難しかった」と語っている。

 勝てばW杯出場を決定させる24日のオーストラリア戦。先発出場した山根は試合状況に応じ、持ち場となる右SBの位置から果敢に前線へと飛び出していく。右サイドハーフのMF伊東純也を外から追い越すだけでなく、中央へと走り込むなど攻撃に厚みを加える。この積極的な姿勢は、前回の反省を生かしたものだと明かした。

「(11月の)ベトナム、オマーンの試合での後悔ではないけど、もっとこうした方が良かったという反省があった。自分の強みは攻撃で関わるところや得点シーンに顔を出すこと。オーストラリア戦は強みを出し、PA内に入っていくことや回数を意識していた」

 そして、スコアレスで迎えた後半44分には、その姿勢が得点へと結び付く。右サイドでボールを受けると、中央のMF守田英正に預けてPA内に侵入。粘って送ったラストパスをMF三笘薫が蹴り込んで先制点が生まれた。同アディショナルタイムには、三笘が個人技からダメ押しゴールを奪い、オーストラリアの反撃を許さなかったチームは2-0の完封勝利を収め、7大会連続でのW杯出場を決めた。

 昨年11月の最終予選ベトナム戦、オマーン戦では、DF酒井宏樹がコンディション不良に陥っていたこともあり、2試合連続フル出場。今年に入ってからの2試合は酒井にポジションを譲っていたが、今回の活動では酒井は負傷のために不参加に。メンバー発表後の不測の事態となったが、山根自身に大きな気持ちの変化はなかったという。

「『多分、出ないだろう』と行って、急に『行くぞ』と言われても心の部分の準備はできないし、試合で良いパフォーマンスは出せない。(メンバー発表時に)自分の名前があれば、出るつもりで準備している。宏樹くんがいないから、と思っている人はかなり多かったと思う。けど、宏樹くんの代わりだとか、いないからと思われたくない。自分もいるんだぞというところを見せたかった」

 持ち味を発揮し、十分な存在感を示してのW杯出場決定。しかし、世代別代表の経験がなかった自身にとって、W杯出場を決める試合のピッチに立っていることは想像できなかったようだ。「育成年代の代表のユニフォームを着たことがなかったので、自分がそういう場に立っていることをリアルに想像するのは難しかった。今ではこういう立場にいるので、何があるか分からない」と感慨深げに語りつつ、視線をすぐさま前へと向ける。

 チームはW杯出場を決めたが、メンバー入りを争うサバイバルレースはW杯直前まで続く。「チャンスがあるので、自分の手でつかみにいきたい」と意気込みを示したように、カタール行きの切符を手にするためにも29日のベトナム戦、そして今後の活動でもアピールを続けていく。

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