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欧州視察で“違い”感じた森保監督「日本も早く世界基準になればいいなと」

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日本代表森保一監督

 日本代表森保一監督がヨーロッパ視察中の11日、報道陣のオンライン取材に応じた。デュッセルドルフを拠点にドイツ、ベルギー、オランダで試合やトレーニングを視察していく中で、日本のスタジアムとの雰囲気の違いを大きく感じたようだ。

 今月1日のカタールW杯組み合わせ抽選会後に欧州へと渡った森保監督は、今回の滞在でドイツのフランクフルト(鎌田大地)、シュツットガルト(遠藤航、伊藤洋輝)、シャルケ(板倉滉)、オランダのPSV(堂安律)、ズウォレ(中山雄太、ファン・ウェルメスケルケン・際)、ベルギーのゲンク(伊東純也)、ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ(三笘薫、町田浩樹)の試合を視察。PSVとサンジロワーズはトレーニング場も訪問し、選手だけでなくクラブ幹部と会話をかわしたという。

 また視察したシャルケの試合は板倉がゴールを決めたハイデンハイム戦。森保監督は「滉くんの素晴らしい攻撃参加からの切り返しで相手を二人を抜いて、シュートを決めるという現場を見せてもらった。日本人の活躍を誇らしくむちゃくちゃ喜んでいた」と笑顔を見せた。その一方で「ビールと飛沫が飛びまくっていた」と苦笑いを浮かべつつ、「ちょっと話が変わりますけど……」と言葉を続けた。

「ヨーロッパは自己防衛としてマスクをしている人はいるけど、マスクをしている人はほとんどいなくて、スタジアムはコロナ前の風景に戻っている。フルに人も入っているし、応援も自由だし、そういうところは日本でも早くこの環境が戻って来ればいいなと思った」

 日本ではスタジアムでの声出し制限が続く中、ヨーロッパでは1年以上も前から解禁。すでに観客入場の制限もなくなっており、コロナ前の日常が戻ってきていることへの言及だった。

「現地に行ける試合は現地に行きながらも、選手全体ところは映像で見ているが、こちらの試合を見た後にJリーグでまだまだ絶対的にマスクをしないといけないという部分、声を出して応援できないという部分を見ると、日本人の我慢強さを本当にあらためて感じさせてもらっている。逆に早くこちらのように同じような基準になればいいなと、世界基準になればいいなというふうに思っている」

 日本と海外の違いは、3月29日に埼玉スタジアム2002で行われたカタールW杯アジア最終予選ベトナム戦でも鮮明に表れていた。ベトナム代表のサポーターが何度もチャントやコールでチームを盛り立て、スタジアムアナウンスで制される場面が見られた一方、日本のサポーターは規定を遵守し声出しはせず。感染防止対策が行き届いていることを感じさせたが、スタジアム内の空気感が相手チームに傾いていたのも事実だった。

 森保監督は「この間のW杯最終予選でも日本対ベトナムを埼スタでやった時も、日本人のみなさんはルール通りに手拍子で応援してくださって、サポーターの我慢を感じた。ベトナムの方々は関係ないという感じで声を出していることがあったが、まさにベトナムの皆さんがやっていたような状態がヨーロッパでは普通だと感じさせてもらっている」と指摘。日本でも海外同様の光景が見られることを心待ちにしていた。

(取材・文 竹内達也)
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