[4.27 練習試合 U-19日本代表候補 2-5 関東大学選抜]

　今季のJ3リーグで6試合5ゴールの大爆発を見せているFW横山歩夢(松本)が、U-19日本代表候補として初の対外試合で結果を残した。2トップの一角で途中出場し、約70分間のプレータイムで2ゴール。U-20世代で編成された関東大学選抜に2-5の大敗を喫したチームの中で、快速ストライカーの飛躍は大きな収穫となった。

　東海大高輪大高出身の横山は昨季、松本山雅FCに加入。昨季はJ2リーグ戦で16試合無得点に終わっていたが、今季は昨季の試合経験も活かして開幕からレギュラーに定着し、得点ランキングトップの5ゴールという成績を残している。また今月はそうした活躍が評価され、全カテゴリを通じて初代表となるU-19日本代表候補に選出。合宿中もスピードを活かしたプレーでアピールを続けていた。

　そうして迎えた代表活動初の対外試合となる関東大学選抜戦(45分×3本)。横山は先発の立場こそFW千葉寛汰(清水)に譲ったが、U-19チームの主役の座は奪った。2本目23分の出場から約20分後、まずはMF屋敷優成(大分)からの折り返しに対してゴール前へと飛び込み、枠に当てながらチーム初ゴールを記録。「最近はボックスに飛び込む意識は自分の中で持っているので、うまく飛び込めた。一回ポストに当たったけど、もう一回詰める意識があったのは良かった」。積み重ねてきたゴールセンスをいかんなく発揮した。

　さらに3本目の31分には、高校時代に“高輪台のムバッペ”の異名をとった爆発的なスピードが炸裂した。うまくボールを引き出したFW鈴木章斗(湘南)が巧みなターンで前を向くと、相手の最終ライン裏に抜け出しながらパスを出すよう大声で指示。スルーパスを受けながら相手DFを一気に抜き去ってゴール前に切り込み、最後はGKの股下へさらりと転がした。

「ペナルティエリア内だったので、ファーストタッチで前に入ることで、相手も足を出せない状況にあったと思うし、足を出して押されて倒れたらどっちみちPKだったと思う。最後もGKをよく見て股を狙えた良いシュートだった」。持ち味を活かした衝撃的なラインブレイクだけでなく、ゴール前の冷静さも光った一発だった。

　試合後、オンライン取材に応じた横山はJ3も簡単なリーグではないので、J3で結果を出せていれば良い波に乗れる。良い流れが代表でも2ゴールにつながったと思う」と自身の現状を分析。その上で「山雅から来ているのもあって、山雅を背負っているので、そういったところでも2点取れて良かった」と松本の選手として活躍できた喜びを語った。

　そんな若きストライカーの活躍には冨樫剛一監督も「持っているものを出してくれた」と好評価。「チームでレギュラーを取って、日々勝負にこだわったゲームをしているのは彼くらいですよね。J3でも5点取ってるのかな。レギュラーでやれているのは彼だけなのでそこが違う」と所属先での活躍と代表でのパフォーマンスとの好サイクルに手応えを語った。

　U-19日本代表としての次の活動は、5月中旬からフランスで行われるモーリスレベロトーナメント(旧トゥーロン国際大会)。代表定着に向けてアピールを果たした横山は初の海外遠征に向けて「DFラインの駆け引きで背後をとる動き、スピードを活かしたドリブルでは絶対に負けたくない」と強気に意気込んだ。

(取材・文　竹内達也)

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