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強豪相手の戦いに警鐘鳴らす吉田麻也「しっかりとしたプラン、決まり事がないと厳しくなる」

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日本代表DF吉田麻也(サンプドリア)

 日本代表の主将を務めるDF吉田麻也(サンプドリア)が31日、報道陣のオンライン取材に応じ、6月シリーズ4試合のテーマを掲げた。選手にとっては「今回が最後のアピールの場」。そしてチームにとっては厳しいグループに入ったカタールW杯に向け、劣勢に陥った時の「カウンターとボールの保持」を確認していく期間になるようだ。

 吉田は先発出場した22日のセリエA最終節インテル戦を終え、日本に帰国。JFA夢フィールドなどで自主トレを行ってきた。「日本に帰ってきてボリューミーなトレーニングをしているので、身体の負荷的には疲れているけど、この2日間で落としながら戦術面をブラッシュアップしていって、パラグアイ戦にいい状態で臨みたい」。この4試合に向けてあえて負荷を高め、コンディションを維持してきたという。

 今回のシリーズでは2日にキリンチャレンジカップのパラグアイ戦を行った後、6日にはブラジルとのビッグマッチを予定。10日と14日のキリンカップでもガーナ、チュニジア、チリとW杯本大会を見据えた強豪国とのマッチメークが実現した。

 この4試合で「仕上げられるだけ仕上げたい」と力を込めた吉田は「どういう風に自分たちが戦っていくか」に加えて、本大会に向けて「どう守備的にならないといけないかの見極め」の必要性を強調。W杯グループリーグではドイツ、スペインとの対戦が決まっている中、「必然的に守備的な戦いになるが、形を持っておくこと、道標を持っておくことが必要。自分たちが思っている以上に難しい試合になる。流れを引き戻すことが大事になる」と戦況を展望した。

 その中で大事になるのが「カウンターとボールの保持」だという。「守備の時間が長くなるので、カウンターの質や、どういうふうにカウンターを仕掛けていくかが大事。ただW杯は過度のプレッシャーや疲労がある中で守って守ってでは厳しい。ボールを持つ時間も必要」。また日本代表としてだけでなく、イングランドやイタリアで強豪クラブとの対戦を数多くこなしてきた吉田。強敵に挑む際には、チームとして「しっかりとしたプランを持たないと大変なことになる」と警鐘を鳴らす。

「シティ、リバプール、ユーベ、そういうチームに対策せずに戦う監督がいたが、そうなると4点、5点叩き込まれるのが肌感覚。しっかりとしたプランと決まり事がないと、苦しい時に厳しくなる」。その点については「(代表の)スタッフとも話した」と吉田。「引き出しをしっかり持っておくこと、その準備をしておくことが大事になる」と思いどおりの試合運びができない時のプラン設計に意欲を示した。

 また吉田自身にとっても、この4試合は欠かせないサバイバルの場となる。今季終盤戦はサンプドリアで出場機会を失っており、来季の動向も決まっていないことからコンディション面には不安も。移籍先について「この2週間で動きがあるかはエージェントに任せている。なるようになる。皆さんいい案があれば教えてください」と笑顔で話した吉田は「半年怪我してから十分なプレー時間を獲得できていないので、このピッチで代表選手としての価値を示さないといけない」ときっぱり。W杯に向けた「最後のアピールの場」で、選手としても存在感を示していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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