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日本vsパラグアイ 試合前日の森保一監督会見要旨

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森保一監督

 日本代表は2日、キリンチャレンジカップでパラグアイ代表と対戦する。森保一監督は1日、札幌ドームで前日オンライン会見を行った。

 以下、試合前日の森保一監督会見要旨

●森保一監督
「明日のパラグアイ戦はワールドカップに向けて、最終予選を終えた後の初めての試合になる。最終予選で出てきた成果と課題を整理しながら、W杯に向けて個の力、チームの力を上げていけるよう、これまで通り目の前の一戦に勝利を目指し、少しでも内容のある、次につながる試合をしていきたい」

──選手の起用について。まずは最初の2試合、パラグアイ戦とブラジル戦では選手を使い分けていくのか。それとも軸となる選手を試していくのか。
「まずは全体的に考えて、この4試合、W杯に向かっていくということでグループリーグ、その先の決勝トーナメントというふうにシミュレーションの準備をしていきたい。パラグアイ戦、ブラジル戦もそうだが、できるだけ多くの選手を使いながら、システム等々、状況によってだが、試せるものは試していきたい。ただし、われわれがいろいろと試すことはありながらも、一戦一戦の勝利を目指して戦うということは、しっかり代表としての責任を考えながら準備して戦いに臨みたい」

──ブラジルはこれまでの最終予選を戦った中で軸となってきた選手をぶつけて、パラグアイ戦はこれまで試せなかった選手を試すという予定なのか。
「おっしゃるとおりのような起用になっていくかなと思う。海外組の選手たちはオフ明けの状態でプレーしようとしている中でコンディションがあったり、昨日今日チームに合流してきた選手もいるし、国内組の選手も連戦を行ってきた。基本的にはブラジル戦にこれまで最終予選を戦ってきた軸となる選手を起用しようとは思っているが、練習を見て決めていきたい」

──怪我や合流の遅れがある中、これまで4-3-3で戦ってきたが、違う形でスタートするようなイメージは持っているか。それともこれまでのシステムでスタートして、人を当てはめていくのか。
「トレーニングの中で限られた時間だが、最終予選の終盤にやってきた形を軸としながら、システムを変えるタイミングがあれば変えていくということで考えていきたい」

──さきほど最終予選の成果と課題という話があったが、パラグアイ戦ではどういった成果をぶつけて、どのような課題を解消したいと思っているか。
「最終予選をやってきたことで、攻撃の部分では守から攻への素早い切り替えで得点を奪うところは、より精度を上げていかないといけないが、スピードある攻撃をしていければと思っている。守備に関しては課題ではないが、またアジアの戦いとは違い、相手は世界の強豪で、世界と戦うことを考えると、これまでの守備でやってきたことによりメリハリを持ってやる。行ける時、構えてブロックを作って、守備的にではないけどそこから相手を破っていけるようにチームでやっていくというのは、アジアの戦いから世界の戦いに切り替えていかないといけない」

──GK4人の起用はどう考えているか。
「状況を見て決めたいと思う。おそらく質問は1試合ずつ起用して、チェックしていくということかということだと思うが、試すことは試すということで考えていきたい。ただ全員に同じようにチャンスをあげられるかどうかはしっかり判断していきたい。フィールドもそうだが、できれば多くの選手を起用していきたい思いはあるが、1試合1試合全部使っていくという約束はできない」

──W杯に向けてのリスタートとなる最初の試合だと思うが、思い出深い札幌の地でどう臨んでいきたいか。
「W杯に向けてわれわれが高い目標をもち、志をもって戦い、北海道の皆さん、メディアの皆さんを通じて試合を見てくださる方々に勝利で喜んでもらう、笑顔になってもらう、戦う姿勢を見てもらって元気や勇気を感じられるように戦いに臨みたい。北海道では(昨年6月に)A代表と東京五輪チームの試合をしたが、その前には2018年(9月)に試合をする予定だった時、チリ戦の前に北海道胆振東部地震があり、試合が中止になってしまった。その時にわれわれ代表チームも札幌で被災したが、ホテルの従業員の皆さん、北海道サッカー協会の皆さん含め、われわれの滞在を手厚くサポートしていただき、開催期間を終えて大阪に移動することができた。地震の後、北海道の皆さんは家族のこと、家のこと、いろんな心配の中、自分たちのことを我慢して、われわれに対してサポートしてくれたことに感謝の気持ちを持っているし、一生その思いを忘れることはない。札幌ドームでの試合で北海道の皆さんにはいい試合をお見せして、元気になってもらう試合、勇気を持ってもらう試合をしたい。去年の東京五輪チームとの試合も札幌ドームで試合をしたが、無観客試合で、直接サポーターの皆さんの前で試合ができなかった。今回は有観客ということで、北海道の皆さん、全国から集まってくるみなさんにワクワクする試合、エキサイティングな気持ちになってもらえるような試合をしたい」

──森保監督のコンディションが気になっている。ほっそりしたようにも見えるし、日焼けもしているし、散髪もしたように見える。コンディションはいかがか。
「コンディションはすごくいい。パラグアイ戦をはじめ6月の代表戦を戦えることを楽しみにしながら日々過ごすことができている。先週1週間、夢フィールドで過ごした時間がすごく天気も良かったので日に焼けた」

──3kgくらい落ちたか。
「1kg、2kg変わったとは思う。過去最高体重をずっと更新していたので気をつけた」

──今日、キリングループとの契約延長があったが。
「長きにわたって日本のサッカー界、日本サッカー協会をサポートしていただけていることに感謝の気持ちでいっぱい。サポートしてくださったおかげで日本サッカーが発展し、W杯に7大会連続で出場する力をつけた。スポンサーの皆さん、サポーターの皆さんがいなければ、ここまで急速な日本サッカーの発展はなかった。これからもサポートいただけるということで、さらに日本サッカーが強くなり、世界で戦えるようになることで恩返ししたい。われわれの活動を通じて、社会貢献を一緒にできるようにというお手伝いをできればと思っている。私自身も1992年のキリンカップで代表を経験させていただき、アルゼンチンという世界の強豪と国際試合をさせていただいたおかげで選手としてレベルアップでき、高い基準を知ることができた。そうして多くの経験をさせてもらったおかげで日本サッカーが世界と戦える力をつけたと思う。あらためて感謝申し上げたい」

──2018年のロシア大会では事前に2週間以上かけて準備したが、こうしてまとまって戦えることも大きいと思う。長い合宿の経験を踏まえた上で、そのあたりのシミュレーションをどう考えているか。
「W杯の日程自体が前回とは全く違うので、そういった意味では考え方がこれまでどおりにはいかないことをチームで認識、共有しなければいけないと思う。試合においてロシアW杯の時には本大会は中4日で試合をしていたが、今回は中3日で戦わないといけない。ちょうどこの4試合のスケジュール間隔はカタールW杯に向けて体験できる。チームとしてどういう時間の使い方をすれば選手のコンディションを作れるのか、保てるのかということと、中3日と中4日ではわれわれコーチングスタッフの準備も変わってくるので、前の試合を振り返りながらも、次の試合に向けて、最大限の力を発揮できるようなトレーニングの仕方、ミーティングの仕方、時間の割り振りを考えていきたい。前回のW杯とは違い、合宿という練習をして戦術を積み上げることができない。前回と同じようにはできないので、試合をしながらW杯で結果を出すため、準備できることは試合を振り返りながらやっていきたい」

──昨日の練習は短く終えたと思うが、雨の影響もあったのか。
「選手のコンディションを考えて決めた。国内組は週末の試合をし、日曜日から2日しか経っておらず、強い強度の練習ができない。海外組は自主トレということでトレーニングを積んできてもらっている中、疲労が溜まっている。いきなり試合に向けて強度の高いことをやって、コンディション的にダメージを受けるということや、選手たちが戦術的なインプットをする状態ではないということでトレーニングの内容を考えた。また大抵の選手は関東で過ごしていたと思うが、気温も30度くらいから15度以下で、約20度の気温差があった中、いきなり動かしてしまうと怪我のリスクがある。また戦術的なトレーニングではクロスの入り方が次の試合に活きると思うし、われわれがこれまで戦ってきた中でサイド攻撃は一つのポイントになっていたので、そこを重点的に確認しようと思って決めた。また長い時間やると選手たちのコンディションを崩すと思ったので、短い時間でしようと思った」

──これまでのシステムを軸に考えたいという話もあったが、守田英正選手が難しいことを考えると、中盤3人が揃わない。思い切ってシステムを変えたりすることは考えているか。
「アジア最終予選を戦っていて、4-1-4-1いう形で中盤は戦ってきた中で、選手たちをある程度固定してきた。彼らが力を持っているのはもちろんだが、日本代表は他にも力を持っている選手がたくさんいる。怪我人が出ても、誰が出ても変わらない。チーム力が落ちないよういろんな選手を試せる。システムのところは人がいないからではなく、違った形で試せそうと思った時には状況を見てやっていきたい。このチームのミーティングでは4-1-4-1、4-2-3-1、3バック、いろんな可能性を含めて話している。状況を見てやったほうがよければやろうと考えている」

(取材・文 竹内達也)
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