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「最後の半年がどれだけ重要か…」ロシアで泣いたFW浅野拓磨、“成長したプレー”起点にカタール行きアピール弾!!

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FW浅野拓磨(ボーフム)がループシュートで先制ゴール

[6.2 キリンチャレンジ杯 日本4-1パラグアイ 札幌ド]

 ロシアW杯で無念のメンバー落ちを経験した日本代表FW浅野拓磨(ボーフム)が、カタールW杯への最初のテストマッチで華々しいスタートを切った。0-0で迎えた前半36分、成長を感じさせる力強いポストプレーで起点をつくると、持ち味の裏抜けからループシュートで先制点を記録。4年越しのメンバー入りに向け、十分なアピールとなる活躍を見せた。

 MF原口元気のスルーパスに完璧なタイミングで抜け出すと、冷静な浮き球フィニッシュでゴールに転がした。「抜け出した時点で自分の間合いではあったので、いろんな選択肢がある中でGKの位置を見て、浮かす選択肢を取った」。浅野にとっても「落ち着いていたかなというのが率直な感想」と自画自賛の一撃。「入るか入らないかは五分五分だけど、入ってよかった」とストライカーらしい豪胆な言葉も飛び出した。

 またゴールシーンでは、DF伊藤洋輝のロングフィードを力強く収めたポストプレーも圧巻だった。日本代表の1トップはこれまでFW大迫勇也(神戸)の献身的な競り合いに支えられていた側面があったが、そのお株を奪うようなプレー。浅野は「何気ないプレーかもわからないけど、ああいうところで身体を張るプレーは自分がブンデスでやっているけど、海外に出て一つ成長したプレーかなと思う」と胸を張り、次のように続けた。

「あのプレーでゴールにつながるというのをあらためて感じることができたので、何気ないプレーをサボることができないし、一つあそこは日本代表に重要になるプレーかなと思う。アピールにつながった」。ストライカーとして貴重な先制点をもたらしたことよりも、ポストプレーでチャンスメークにつなげたことに手応えを感じたような口ぶりだった。

 それでも4年後のカタールW杯を見据えると、まだまだ十分なアピールができたとは考えていない。「今日の試合で代表に対してのアピールは多少つながったのかなとは思うけど、全然まだまだ僕の実力だと抜け出したどころか追い上げていかないといけない、みんなに追いついていかないといけない立場。残りの試合でもっともっとアピールすると共に、この4試合に全てをかけるつもりだけど、その後の準備も含めてやるべきことをコツコツとやるしかない」と冷静に語る。

 4年前に最後の最後で泣いた浅野にとって、これからの半年は一瞬一瞬が大事な時間だ。「最後の半年がどれだけ重要かは自分も身に沁みるほど感じている。ただ半年でざっくり見てしまうと、じゃあどこなのかとなってしまう。半年の意味は“常に今だ”と思っている」。そう力説した27歳は「今日からの準備を半年間やり続けることが大事。今日の試合は一つプラスになった1試合かなと思うけど、今日の試合が半年後につながるかといえば、やり続ければつながると思うし、繋がらない可能性もある。つなげるために明日からW杯に向けて準備していくしかない」ときっぱり。価値あるゴールを挙げてもなお、W杯出場へのさらなる渇望をたぎらせていた。

(取材・文 竹内達也)
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