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A代表経験後に長期負傷も…松岡大起は待望のU-21代表初参加からU23アジア杯へ「ぎこちない感覚はない」

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MF松岡大起(清水)

 パリ五輪世代のU-21日本代表に招集されながら、度重なる負傷で不参加が続いていたMF松岡大起(清水)。5月のトレーニングキャンプも参加できなかったが、ぎりぎりで調子を上げてAFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022のメンバーに滑り込み。2日の前日練習後の囲み取材で「ひさびさなので楽しみですね」と代表活動への参加に目を輝かせた。

 5月29日のJ1リーグ第16節・柏レイソル戦で後半から出場した松岡は、その試合でJ1通算100試合出場を達成。20歳11か月28日での記録は、2000年にMF稲本潤一(南葛SC)がG大阪で達成した20歳10か月25日に次ぐ2番目の早さになる。サガン鳥栖で花開いた才能は、そのまま確かな成長を見せている。

 だが、順調だった道のりも今年初めに一時停止。1月にはA代表にも招集されて大きな経験を得たが、その後に怪我を負い、長期にわたってケアをすることになる。3月に発足した大岩剛監督体制のU-21日本代表活動からは遠のき、3月のトレーニングキャンプやドバイカップU-23も不参加。それでもあわてず確実に回復させ、クラブでもルヴァン杯やリーグ戦で途中出場から段階を経て実戦復帰を果たす。5月のトレーニングキャンプも不参加となったが、U23アジア杯という本番で満を持して初の参加となった。

 U-21日本代表は5月末から、U23アジア杯が行われるウズベキスタンで練習を重ねる。今月2日には試合前日の練習を行った。終了後の囲み取材で、松岡は「ひさびさなので楽しみですね」と喜びを語る。これまで年代別代表や今年1月にもA代表を経験。負傷で遠ざかっていた日本代表の活動にようやく復帰できることに目を輝かせる。「今回選出されて試合ができるというところに嬉しさと、あとはいろんな人が見ていると思うのでしっかり自分の持ち味や泥臭さを出していきたい」と意気込みを口にした。

 コロナ禍の影響もあり、チーム内には代表経験が少ない選手も多く、松岡と面識がない選手も。しかし「わからない選手はJリーグでしっかり見ていますし、常にコミュニケーションを取っています。たわいもない話もしますし、サッカーの話をしながら上手くコミュニケーションを取れている。初めてだからといって、そんなにぎこちない感覚はない」と頼もしさを垣間見せた。

 U-23世代が出場する今大会では、U-21日本代表は年齢的なハンデもある。だが、松岡は「関係ない」と一蹴する。「相手が23だろうと、自分たちのやるべきことを本当に勝つためにやってきた。『いい経験を積みに来た』という見られ方があると思うんですけど、チームとして勝ちに来たというのは一人ひとりが思っていること。しっかり体現するとともに、しっかりしたパフォーマンスをピッチの中で表現したい」。合流は遅れたが、代表として戦う気持ちはずっと仲間とともに走っていたようだ。

 U-21日本代表は3日のグループリーグ初戦でUAEと対戦。6日の第2戦でサウジアラビアと、9日の第3戦でタジキスタンと戦う。

(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2022特集ページ

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