[6.6 キリンチャレンジ杯 日本 0-1 ブラジル 国立]

　ブラジルを追い詰めながら、最後は力の差を見せつけられた。過去2分10敗と一度も勝ったことのないブラジル代表に対し、「勝利を目指して」戦った日本代表の森保一監督は「勝てなくて非常に残念だ」と率直な感想を口にした。

「我慢強く戦う時間が増えることは自然かなと思っていたが、選手たちは我慢強く、粘り強く戦いつつ、攻撃の姿勢も忘れないで、ゴールに向かっていくところを見せてくれた」。そう選手たちのパフォーマンスを称えたうえで、「結果が伴わず、残念に思う」と言い切った。

　FIFAランキング1位のブラジル相手に金星を逃し、悔しさを隠さないのは、カタールW杯でも強豪国であるドイツやスペインから勝ち点を奪い取っていかなければグループリーグを突破できないからだろう。「“惜しい”ではダメなのは分かっているつもりだが、選手たちが今、自分たちにできるベストをやり続けてくれたことは我々の未来の勝ち点、勝利につながっていく部分もあったと思う」と言葉をつなげた。

　相手のキーマンでもあるFWビニシウス・ジュニオール対策のため右サイドバックで起用されたDF長友佑都や、ブラジルの強力なサイドアタッカーと対峙したDF中山雄太、何度となく体を張ったシュートブロックを見せたDF板倉滉、豊富な運動量でFWネイマールやMFルーカス・パケタをセンターバックとともに挟み込んだMF遠藤航。守備では多くの選手が持ち味を発揮し、ブラジルを苦しめた。

　だからこそ「強豪国から勝ち点を奪っていくにはどうしたらいいか」という質問に森保監督は「攻撃力かなと思っている」と即答する。「ボールを奪ってから前に運ぶ、相手のプレッシャーを外す部分はもっともっと上げていかないといけない。選手たちは今できるトライをしてくれて、ほぼクリアで逃げることはなかったと思うが、ボールを保持しながら相手のブロックに入っていけるように攻撃力を上げないといけない」。ブラジルもボールを失えば攻守の切り替え早く、高い位置からプレッシャーをかけてきた。安易なクリアには逃げなかったが、効果的なカウンターを仕掛けることができなかったのも事実だった。

「守備に関しては、1失点したが、ボールロストしてからの切り替えや、最後のところで粘り強く止めるという部分、強豪相手にやらないといけないところは見せてくれた。それを継続しつつ、攻撃力を上げられるようにトライしたい」。今後はキリン杯で10日にガーナ、14日にチリまたはチュニジアと対戦する。それを終えれば、カタールW杯までの強化試合は9月の2試合のみ。限られた時間の中で、悲願の8強入りを目指す森保ジャパンの最後の挑戦が始まっている。

(取材・文　西山紘平)

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