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失態を犯した初戦は「過去のこと」、心折れずに一歩を踏み出したU-21日本代表DFチェイス・アンリ

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DFチェイス・アンリ

[6.6 AFC U23アジア杯GL第2戦 日本0-0サウジアラビア タシケント]

 U-21日本代表はU23アジア杯の第2戦、今大会の優勝候補ともいわれるU-23サウジアラビア代表と引き分けた。DFチェイス・アンリは初戦でハンドの失態も、この試合はフル出場で攻守に貢献。「過去のことをずっと考えていても、今日のプレーはできなかった」と振り返った。

 今大会初戦で先発したアンリは、失点場面や不用意なハンドによるPK献上でピンチを招いた。味方の援護もあり、2-1で勝利を収めるも、試合後には「今日は悔しい。いい結果にはなったけど、でも一生忘れない試合になった」と肩を落としながら会場を後にしていた。

 しかし、アンリは再び第2戦・サウジアラビア戦で先発する。守備面では優勝候補に体を張った守備を見せると、攻撃面でもビルドアップが向上。MF藤田譲瑠チマやMF山本理仁が後方に降りてコースを作ることで、パスの安定感はさらにアップした。「譲瑠くん、理仁くんが降りてきて、パスコースも見えてきた。2人のおかげ。チームメイトとしゃべりながらやるとやりやすくなる。そういうところも話し合いができた」。相手の鋭いプレスに危なっかしさを見せる場面もあったが、初戦と比べ、たしかな成長が垣間見えた。

 さらに初戦との大きな違いは、声を出していたこと。プレーが中断したとき、一際目立つ大きな声でチームを鼓舞する。「声を出すことで自分の気持ちも楽になる。そっちのほうが味方もやりやすくなる。声は出さなきゃいけない」。一つひとつ、着実に課題をクリアしているようだ。

 3月のドバイカップU-23を終えた後、数か月にわたり、実戦から遠ざかっていたアンリ。緊張の初戦で失態を犯したが、中2日でメンタルを立て直した。「過去のことをずっと考えていても、今日のプレーはできなかった。強くメンタルを持って、前を向かないといけない」。周囲の大きな期待には、まだ応えきれていないかもしれない。それでも頼れる先輩たちの助けを借り、18歳は今大会でさらなる成長を目指す。

(取材・文 石川祐介)
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