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39歳川島永嗣が考える森保Jの“伸びシロ”「R・マドリーがCLで優勝したけど…」

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ガーナ戦では初ゴールのMF久保建英を笑顔で祝福していたGK川島永嗣(ストラスブール)

 カタールW杯を間近に控える日本代表において、39歳最年長のGK川島永嗣(ストラスブール)が着実に出番を掴んでいる。昨年の6月シリーズ以降、日本は国際Aマッチ17試合を戦っているが、GK権田修一の12試合に次ぐ4試合にフル出場。精神的な柱としての働きも欠かせず、4度目のW杯メンバー入りは目の前だ。

 南アフリカ、ブラジル、ロシアの3大会でゴールを守った川島は2018年秋の森保ジャパン発足後、約1年間にわたって招集外が続き、19年初旬のアジア杯にも参加しなかった。それでも19年6月の親善試合でメンバー入りすると、東京五輪世代で臨んだコパ・アメリカにも帯同し、ウルグアイ戦とエクアドル戦の2試合に出場。その後、19年11月のベネズエラ戦(●1-4)、昨年6月シリーズのW杯2次予選ミャンマー戦(○10-0)とキルギス戦(○5-1)、今年3月のW杯最終予選ベトナム戦(△1-1)でゴールマウスを任されてきた。

 今回のシリーズでも、3試合目となった10日のキリンカップ・ガーナ戦でフル出場。森保ジャパン発足当初からコンスタントに招集され、たびたび出番も得ていたGKシュミット・ダニエルとの第2GK争いをリードする形となっている。このまま行けば11月開幕のカタールW杯のメンバー入りはほぼ当確。ところが川島自身には、そうした序列への執着はないという。

「自分としては立場とか、どういうポジション(序列、役割)で行くかは考えていない。まずは自分が選手として、その立場に相応しいかどうかが一番大事。W杯でチームを勝たせられる選手でいたいし、グループでそういう立場でいたい」。そう力説した川島は「日々の積み重ねがない限りメンバーにも入れないし、そういうふうにもなっていかない。W杯に行くという意味では、実際にまだ時間もあるし、積み重ねをここからも続けていくだけというスタンス」と前を見据えた。

 そうした姿勢は11日の取材対応でも表れ、W杯本大会を控えるチームの方向性を熱を込めて語った。過去3大会を経験した川島は、森保ジャパンが本大会に臨むにあたって「最後はどれだけ自分たちが勝負にこだわれるかが大事」と強調する。

「昨日のガーナ戦も、こういうシーンの中で相手がレベルが高くなればこういうところを狙ってくるだろうなというシーンは多々あった。差がつくのは小さいところで、全体を見れば昨日の試合もブラジル戦もポジティブな部分は多かったし、ポジティブに捉えられるところはあるけど、勝負を変えていくのは細かいところ。細かいところをどれだけ詰めていけるかは大きな差につながっていく」

 そう力説した川島は「詰めていかないといけないことはまだまだある」ときっぱり。UEFAチャンピオンズリーグを制したレアル・マドリーも例に出しつつ、今後の森保ジャパンの伸びしろを掲げた。

「レベルが上がれば上がるほど一つ一つのシーンでどういうことを考えているか、どういうことをするか。そこの差が勝敗を変える差になってくる。W杯だけでなく、CLもそうだし、技術、戦術、メンタル的な部分も含めてそうだと思う。R・マドリーがCLで優勝したけど、戦術的に優れていたかというとそういうわけではなかった。ゲームの中で苦境に立たされた時にどう盛り返せるか。そういう部分も勝っていくためにはあると思うので、そういう意味でもっともっと成長していかないといけない」

 たとえばミスが起きた時の対応でも、そうした“一つ一つの差”が命取りとなる。

「ミスのない試合はないと思うが、ミスが起きた時に次にどう対応するかが大きい。一つミスがあったときに切れるかが重要。一つあった後に二つ起こさないのが大切だし、そこの意識は確実に持っておかないといけない。パスミスは絶対に起きるし、判断ミスも起きるけど、どうカバーしてどう切るかはしたたかに戦っていく上で大切」

「昨日の試合の中でもミスをした後にすぐにプレッシャーに行って奪うシーンもあったし、ファウルで切れるシーンもあったけど、実際に本大会でイエローカードもあるし、どうイエローカードをもらわないかにもつながる。ファウルするにしてもどうイエローカードをもらわずにファウルするか、そういうところも大事になる」

 日々のトレーニングでは一つ一つのシュートに誰よりも迫力を見せ、攻撃陣に緩みが見られた時もピシャリと締めている川島。5か月後に控えるW杯本大会に向け、過去3大会を経験した39歳に託される役割は大きい。

(取材・文 竹内達也)
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