beacon

韓国戦で圧巻の3点関与…U-21日本代表FW鈴木唯人の研ぎ澄まされた集中「気持ち次第だなと」

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW鈴木唯人(清水)が歓喜の雄たけび

[6.12 AFC U23アジア杯準々決勝 日本3-0韓国 タシケント]

 年上のライバル相手に全得点に絡む大活躍。2ゴールを挙げたFW鈴木唯人(清水)は「この大会に相当な気持ちをぶつけているので、結果を残すことができてよかった」と喜びを語った。

 相手の猛攻に苦しみながらも、着実に敵陣に攻め込む日本。前半21分に鈴木唯がショートカウンターを仕掛けると、相手のファウルを受け、PA手前でFKを得る。「自分で取ったFKでしたし、気持ち的に入るんじゃないかとすごく思っていた」。右足のFKは相手選手に当たりながら、GKの頭上を越える。クロスバーをかすめ、そのままゴールラインを割った。

 FKでのゴールは自身の記憶にもないという。「なんとしてでも勝たせたい、なんとしてでも勝ちたいという気持ちが相当あった。技術とかそういう問題じゃなくて、気持ちの乗ったゴール」。試合を有利に運ぶ先制点となった。

 前半を1-0で折り返した日本は、要所で反撃を仕掛ける。すると後半20分に待望の追加点。PA右手前でボールを持った鈴木唯がPA右に入り込み、右足シュートを放つ。「真大がいるのはわかっていた。うまくファーにシュートを打てばこぼれ球はある」。相手GKにはじかれるが、こぼれ球はFW細谷真大(柏)がすかさずゴールにプッシュ。鈴木唯のシュートから再び得点が生まれた。

 最後には鈴木唯が魅せる。後半35分、DF内野貴史(デュッセルドルフ)のパスをPAライン上で反転しながら収めると、冷静に左足シュート。「迷わずあそこに打てば入るという感覚。迷いもなく蹴れたことがよかった」。ゴール左隅に決め切り、全得点に絡む活躍で3-0と勝利を手にした。

 グループリーグ初戦にも得点を決めていた鈴木唯は、この試合で今大会3得点目をマークした。そのブレイクの理由は“気持ち”。研ぎ澄まされた集中力への自信を語る。

「相当気持ちが入って試合に臨めた。この大会で、自分は気持ち次第だなと。ものすごく大事な試合と捉えて気持ちを持っていけば、これくらいのパフォーマンスは出せるんじゃないかと自信にもなっています」

 大一番を勝ち抜き、日本のエースとして警戒度も上がった。しかし、これまで通りやることは変わらない。「いいプレーをしようと思うんじゃなくて、しっかりとまずは守備から走る。チームにプラスの影響をもたらして、相手のやりたいことをやらせないところから始める。そしたら自ずと、自分のところにいいボールは来る」。あくまでチームのために。この試合の勝利はその結果がもたらしたものだった。

(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2022特集ページ

TOP