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森保監督、冨安健洋の“3年ぶり”右SB起用に前向き「CBでは数多く見させてもらっている」

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DF冨安健洋(アーセナル)

 日本代表森保一監督が13日、キリンカップ決勝チュニジア戦の前日会見に出席し、10日のガーナ戦からは先発メンバーを大幅に入れ替えて臨むことを明言した。指揮官は「システム的には大きな変化はないと思うが、人という意味ではまたチームのオプションを増やせるようにということでは考えていきたい」とした上で「ガーナ戦からは大幅にメンバーを代えていきたいと思うし、いろんな組み合わせが見られて、いろんな融合が見られるかなと思っている」と期待を語った。

 今回の6月シリーズ3試合では、森保監督は一貫して4-1-4-1(4-3-3)のシステムを採用。オプションとして3バックの採用も想定されていたが、ガーナ戦の最終盤に10分間弱試すにとどまった。「基本的には4-1-4-1からのスタートでプレーしてもらい、選手の対応能力や個々のパフォーマンスをスタートの段階では見る。試合の中で相手とのマッチアップの中で4-2-3-1という形で選手たちが判断してバランスを変えるのであればそれは認めていきたいし、意図的にスタッフのほうから形を変えて戦うこともやってきた」という意識づけでのトライだったようだ。

 選手間の判断という点では、中盤の3枚にMF遠藤航(シュツットガルト)、MF柴崎岳(レガネス)、MF久保建英(マジョルカ)が並んだガーナ戦が象徴的だった。指揮官は「私のほうからシステムを変える指示も選手たちには出したいと思うが、選手たちを評価したいのはガーナ戦で4-1-4-1で入る戦い方をしながらも、相手アンカーに合わせて柴崎や航が状況を見て、4-2-3-1のようにタケをトップ下にして、相手を抑えながら個の良さを出すことを柔軟にやってくれたこと」と例示しつつ、「選手が入れ替わる中、チームの戦い方のベースはもちろん、選手が活きるように、勝つために局面で相手を上回れるような判断力を見ていきたい」と述べた。

 また森保監督が模索する「いろんな融合」という点では、これまで別メニュー調整が続いていたDF冨安健洋(アーセナル)の起用法が大きなポイントとなりそうだ。

 昨年末以降、両ふくらはぎの負傷で戦線離脱が続いていた冨安は、5月16日に行われたプレミアリーグ第37節で右太もも裏を負傷。30日に始まった代表合宿に合流していたが、全体練習から離れての別メニュー調整が続いており、2日のパラグアイ戦(○4-1)、6日のブラジル戦(●0-1)、10日のガーナ戦(○4-1)ではいずれもメンバー外だった。その後、8日のトレーニングから一部メニューに合流し、11日からはフルメニューに参加。5対5や6対6のミニゲームに精力的に取り組み、右サイドバックのようなポジションでプレーする場面も見られた。また居残り練習でも右サイドから次々にクロスを供給する役割を担っていた。

 森保監督は冨安の起用法について「試合に使えるとは言い難い状況ではある」としながらも、「どこで使うかは決まっているわけではないが、センターバックも右サイドバックももし使えるのであれば考えたいし、センターバックでの冨安は数多く代表でも見させてもらっているので、サイドで起用することはもし可能であれば考えていきたいと思っている」と説明。右サイドバックでの起用は「可能性がある」とした。

 冨安がもし日本代表でセンターバック以外のポジションを一定時間務めるのは、2019年1月のアジア杯グループリーグ初戦トルクメニスタン戦(○3-2)でのボランチ起用、同年9月のキリンチャレンジ杯パラグアイ戦(○2-0)の後半の右サイドバック起用に続いて3度目。森保監督は3年ぶりのサイドバック起用について「吉田麻也、板倉滉、谷口彰悟、伊藤洋輝とセンターバックでプレーしてくれている選手がハイパフォーマンスを見せてくれている。冨安だったり他の選手を起用することもあるけど、トミに関しては右サイドバックも左サイドバックも、アジア杯ではボランチでも起用したが、サイドで起用する部分は所属チームで起用されている部分を代表でも活かすという意味で、選択肢として広がっていくと捉えている」と前向きに述べた。

(取材・文 竹内達也)
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