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鈴木彩艶「成長していかないと」“パリ五輪世代”はU23アジア杯準決勝で敗戦…チームの現在地を知る

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GK鈴木彩艶(浦和)

[6.15 AFC U23アジア杯準決勝 日本0-2ウズベキスタン タシケント]

 決勝にあと一歩と近づいたU-21日本代表。しかし、準決勝でU-21ウズベキスタン代表に0-2で敗れ、18日の3位決定戦・オーストラリア戦に回ることになった。試合後の囲み取材で、GK鈴木彩艶(浦和)は「全体的にミスが目立った試合だった」と振り返った。

 試合を通して、攻撃が結実することはなかった。日本はボールを握るものの、最前線から相手ゴールを脅かすことができない。前半13分にはCKのこぼれ球をMF藤田譲瑠チマ(横浜FM)がシュート。だが、惜しくもゴール左外に外れる。その後はなかなか決定機を作ることができなかった。

 すると後半16分、ウズベキスタンの背番号10、MFジャスルベク・ジャロリディノフに鋭いシュートを打たれる。ボールはGK鈴木彩艶(浦和)の頭上を越えていき、ゴールネットが揺れる。日本は痛恨の先制点を奪われた。追いかける展開になると、試合のペースはウズベキスタンへ。同44分にはカウンターから失点。そのまま0-2で敗れ去った。

 鈴木彩は「全体的にミスが目立った試合だったというのが正直な感想」と語る。相手の先制点は「準備はしていましたけど、ボールの軌道といい、あれが世界なのかなと実感しました」。終盤追いかける展開の中での2失点目は「1失点で抑えていれば、最後にチャンスはあった。あそこの時間帯で2失点目をしてしまうと、苦しくなると痛感しましたし、自分としてはもう少し工夫できた」と悔いも垣間見せた。

 今年3月に発足したU-21日本代表は、同月に優勝を果たしたドバイカップU-23から無敗を継続。しかし、今回の敗戦で公式戦8試合目にして初黒星となった。「優勝を目指してやっていたので、本当に悔しい結果ではあります。この年代とは必ずまたどこかでやる。もっともっと成長していかないといけない」。守護神は敗戦をしっかりと噛みしめた。

 日本は今月3日から始まったすべての試合を中2日で敢行。猛暑に苦しみ、また4選手の新型コロナウイルス陽性判定もあり、試合が進む中で戦いは厳しくなっていった。DF半田陸(山形)は「出続けている選手の疲労もあった」と明かしつつ、先日のA代表でDF冨安健洋が語ったことを例に、戦い方のコツを見出す。

 今季からアーセナルに加入した冨安は代表活動とプレミアリーグの間で度重なる故障に苦しんだ。今月のA代表活動中には、プレー強度の“メリハリ”について「常に100%、120%の力でやるというところを、80%くらいの力で。手を抜くわけではないけど、うまくやらないといけない」と語っていた。

「冨安さんの記事にもありましたけど、80%、90%でやって、グループステージを勝てるように。個人もそうですし、チームもなっていかないといけない」(半田)

 U-21世代に敗れたことで、選手たちはチームの現在地を知った。「パリ予選じゃなくて、きょう個人個人がすごく悔しい経験をできた。それを忘れずに、次の試合もそうですし、帰ってからもやっていかなければいけない」。開催年度によって、今大会は五輪予選も兼ねることになる。そのときに勝つために、この敗戦は大きな糧となった。

(取材・文 石川祐介)
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