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「自分にベクトルを向ける」を意識してきた199cmFW木吹翔太が年代別代表候補に復帰し、1ゴール

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前半13分、U-16日本代表候補の199cmFW木吹翔太(広島ユース)が右足で勝ち越しゴール

[7.14 練習試合 U-16日本代表候補 2-3 日体大柏高 高円宮記念JFA夢フィールド]

「周りどうこうというよりも自分次第だと思うし、昨日も(ロールモデルコーチの中村)憲剛さんからミーティングの時に『自分にベクトルを向ける』というのを何回も言われていて。責任取るのも、やるのもやらないのも自分次第だと思うので、そこはずっとやってきたので良かったかなと思います」

 U-16日本代表候補のFW木吹翔太(広島ユース)は199cm、84kgの規格外のサイズの持ち主。昨年のU-15日本代表候補合宿で圧巻のロングシュートを叩き込んだように、パンチ力十分のシュートのほか、大きな身体をスムーズに動かす力や柔らかいボールタッチといった特長を持つ。

 スケール感は絶大。一昨年にU-15日本代表候補、昨年はU-16日本代表候補と同年代だけでなく、1歳年上の代表候補チームにも招集されている。だが、今年は年代別日本代表から遠ざかっていた。JFAアカデミー福島U-15から広島ユースへ進んだ今年、強豪クラブのハイレベルな競争の中でプレミアリーグ出場時間は1分間。代表チームの招集外が続いたことで焦りや落ち込むこともあったようだ。だが、周りのことを意識するよりも、自分に目を向けてやるべきことにトライしてきた。

 そのFWは今回、昨年11月以来となる年代別日本代表候補選出。日体大柏高戦では一時勝ち越し点となるゴールを決めた。1-1の前半13分、左中間へ抜け出すと、寄せてきたDFを物ともせずに身体の大きさと強さでブロックし、そのまま右足シュートをゴールに流し込んだ。

「FWはやっぱりいくら内容が良くても結果で見られると思うので、1点決めてやろうと思っていた中でゴールを決められたので良かった」と木吹。この日は代表から遠ざかってた期間に取り組んできた成果も発揮した。

「大きいだけじゃダメ。大きくても動けるのをウリにしたい。柔らかさも、デカい割にあると思うので、成長しつつ動きやすさももっと磨いていきたい」という木吹は腕の振り方、スプリントする際の足の回転数を上げることなど、より爆発的に動くために学んだことを自主練などで実践。この日はゴールシーンのほか、後半にも縦への爆発的な突破で決定機を作り出し、「裏抜けるスムーズさも出てきている。縦突破もできたり、裏に抜けたりもできたので」と手応えを口にしていた。

 その木吹について、森山佳郎監督は「危機感を持ってやってくれていたと思います」。代表に戻ってきたが、まだまだ満足することはできない。10月に開催されるAFC U17アジアカップ予選に出場することは「絶対」の目標だ。「最初は出れなくても途中からでも結果を残してチームに還元して、成長もできると思うので、そこは絶対に出たいですね」。自分に目を向けて成長を続けることで、代表チームに定着しているメンバーたちとの差も縮めて行く。

(取材・文 吉田太郎)

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