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スペイン移籍決定も“志願”のE-1帯同…橋本拳人「ここに入りたい思いを持っていた」

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日本代表MF橋本拳人(ウエスカ)

 日本代表MF橋本拳人が21日、EAFF E-1選手権の中国戦(24日・豊田ス)に向けた報道陣のオンライン取材に応じた。合宿期間中の18日には神戸からウエスカへの移籍が正式発表。自身の現状について「いい経験をしているし、充実している」と笑みを見せた。

 橋本は2021年6月のカタールW杯アジア2次予選以来となる日本代表復帰。19年3月のA代表デビュー以降、一時はMF柴崎岳とMF遠藤航のダブルボランチに食い込み、レギュラー争いを展開していたが、相次いだ負傷や今年3月までプレーしていたロシアのウクライナ侵攻の影響もあり、ここ1年間はA代表から遠ざかっていた。

 自身不在時の最終予選は「しびれるゲーム、緊張感のあるゲームが画面越しにも伝わってきたし、その場にいられないことを悔しく思っていた」という橋本。だが、今年4月にFIFAの移籍特例でヴィッセル神戸に加入すると、コンディションの整った5月下旬以降は先発に定着し、J1リーグ戦9試合でのアピールが実って“国内組編成の代表入り”と“欧州再挑戦への切符”をダブルで掴み取った。

 移籍先のウエスカはスペイン2部。スペインは「小さい頃からプレーしたかった国」だという橋本は「すごくレベルの高いリーグで、すごく厳しいリーグだというのは聞いている。ただ厳しい環境に身を置きたいのは常に感じているし、タフな選手になるためにはすごくいい環境。持っているものを全て出し、通用するかが楽しみ。ステップアップしたい気持ちを持って臨みたい」と期待に胸を躍らせる。

 またA代表への返り咲きも常に意識していたという。「Jリーグに戻ってきてからもここにE-1選手権があるのはわかっていた。ここに入りたい思いを持っていたし、移籍のタイミングは微妙だなと思っていたけど、選んでもらったので期待に応えたいと思っていた」。海外移籍によって途中離脱の可能性もあった中でも「向こうのチームと話をして、参加したいという思いを伝えたら、それを了承してくれた」と志願の帯同。「代表に入りたい思いでプレーしていたので、そこに対する思いはピッチで表現したいし、チームとして優勝しないといけないと思っているので勝利に貢献したい」と力を込めた。

 橋本が不在の間、日本代表では4-2-3-1から4-3-3へのシステム変更を実施。アジア2次予選でもオプションとして採用されていた布陣だが、この戦術変更は攻守にわたってオールラウンダーな強みを持つ橋本にとって前向きに働く期待がある。

「中盤であればどこでもできると思うし、アンカーでもインサイドハーフでも自分の力を発揮できる。インサイドハーフでは飛び出しや得点力を見せられると思う。アンカーではリスク管理、常にディフェンスラインでボールを受けるポジション取りをしないといけないが、バランスを取ることも持ち味でもある。アンカーで出たらそういうところを見せられると思う」

 最終予選の戦いを支えていたインサイドハーフのMF田中碧とMF守田英正、アンカーの遠藤の連係についても「すごくいいバランスでやれているし、3人がゲームをコントロールしながら戦っていたので、見ながら学ばせていただいた」と素直に称えつつ、「僕が入っても同じプレーではないかもしれないけど、スムーズに入っていくイメージは持っていた」と断言。「ダイナミックさを出せると思うし、ゴール前に入っていくところ、球際で戦うところは僕の良さなので出せれば」とビジョンを明かした。

 カタールW杯行きを意識すれば、さらに一段階上のアピールが求められるE-1選手権。それでも橋本は冷静な心持ちで臨む構えだ。「ワールドカップに行きたい思いはみんな持っているけど、毎試合、毎日の自分のプレー、結果にフォーカスしていくしか方法はない」。その先に夢舞台への切符があると信じ、「気持ちは入っているし、アピールしたい気持ちは強い。ただそう思ったところでスーパーなプレーが出せるわけではない。自分の良さも出しながら、周りの良さも引き出しながらプレーしたい」と決意を示した。

(取材・文 竹内達也)
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