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高卒JFLからの“下剋上”…小池龍太をA代表へと駆り立てた一つの動機「視来くんのプレーを吸収したい」

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DF小池龍太(横浜FM)

 JFLでキャリアをスタートしたDF小池龍太(横浜FM)の日本代表デビューが間近となっている。22日、代表活動期間で初のオンライン取材に応じた小池は「夢や目標として設定する場所として日本代表、海外挑戦というのは持ち続けていたけど、JFLでアマチュア契約でやっている以上なかなか難しいのは自覚していた。でもそこで何かを変えたり、諦めるというのは自分の生き方に反する。成長の仕方を証明しようと思っていた」と当時の心境を回顧。その思いをすべて初陣にぶつけていくべく、中国戦(24日・豊田ス)への意気込みを語った。

 JFAアカデミー福島出身の小池は高校卒業後、当時JFLだったレノファ山口で社会人キャリアをスタート。チームをJ3昇格、J2昇格に導いた後、17年に柏レイソルへ加入し、初のJ1挑戦を果たした。19年夏にはベルギーのロケレンで初の欧州挑戦を始めたが、クラブの破産によって20年5月に無念の帰国。そこから横浜FMに加わると、左右のサイドバックで主力を担い、晴れてA代表に辿り着いた。

 JFAアカデミー卒業生のA代表入りも史上初の快挙となった。小池は高校進学直前に東日本大震災を経験しており、当時を支えてくれた人々への感謝の気持ちは大きい。「自分たちがサッカーをしていいのかというのもあった中、福島で応援してくださった皆さん、設立に尽力してくださった方にいいニュースを与えたり、関わってくださった方に活力を与えられるかに尽きる」。そうモチベーションを明かした小池は「努力を続けてこられたからこそ、アカデミー卒業生として代表の場に来られている。努力の時間、背景は見えないけど、背景が見えるようなプレーをしたいし、少しでも感じ取ってもらえたら」と決意を示した。

 19日の香港戦(○6-0)では出番なし。それでも日々の活動には充実感を感じているという。

「出場がなかったけど、日々の練習から日頃チームで戦いあっている選手たちとプレーしたり、同じチームで会話したり、違うチームに入ることで、自分のサッカー観にプラスに働いている。個人的にずっと来たい場所だったので、監督と話したり、コーチ陣の要求、、選手一人一人のパフォーマンスで、自分にまだまだ足りないものがあると気付かされたし、求められているものを代表活動を通して伝えられている。来なかったらわからなかったことなので楽しいし、一日一日成長できている」

 なかでも香港戦で右サイドバックのポジションを担い、2アシストを記録したDF山根視来(川崎F)の存在は強く意識していた。「この代表に入りたい思い、代表でプレーしたい思いはあったけど、視来くんとプレーしてみたいとか、彼のプレーを見て近くで感じて、より多くのものを吸収したいと代表を目指していた部分があったので、思った以上の成果があった」。カタールW杯最終予選で出場機会を重ねた先輩の存在は大きな刺激になっていたようだ。

 山根との違いで「両サイドバック同じクオリティでプレーできること」と自負する小池だが、21日の練習では右SBのポジションを務めており、中国戦では山根に代わっての出場が濃厚。横浜FMとは異なる動き方を求められる部分もあるが、意識は変えずにプレーする構えだ。

「ゲームを作る上でサイドバックは大切になるポジション。マリノスの立ち位置ではボランチの役割をすることが多く求められるけど、低いポジション、DFラインに立つ場面でも前向きにプレーしたい。前線によりいい状態で渡すビルドアップの能力とか、視来くんが結果を残したアシストとか、求められるものは同じ。ポジショニングで立ち位置は違うけど、気持ちの保ちようとして同じ意識を持つことが大事だと思う」。イメージは充分。あとはこれまで積み重ねてきたものをデビュー戦の舞台で見せつけるだけだ。

(取材・文 竹内達也)
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