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広島ルーキーMF満田誠、A代表デビュー戦で感じた課題「これからも選ばれ続けるために…」

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MF満田誠(広島)

 EAFF E-1選手権の中国戦(△0-0)で日本代表デビューを飾ったMF満田誠(広島)が26日、報道陣のオンライン取材に応じ、自身の課題を語った。「自分のプレーに納得もしていないし、悔しかったけど、それが自分の今の実力」。広島でプレーしている3-4-2-1のシャドーではなく、4-2-3-1のウイングだったことも試練となったが、「与えられたポジションで自分の力を発揮できるかが大事」と自身に矢印を向けた。

 流通経済大から今季広島に加入した満田は今回、アンダー世代も通じての代表初招集。初戦の香港戦(○6-0)では合流直後だったこともあり、出番はなかったが、中国戦の後半24分から右ウイングのポジションに送り出された。

「今までテレビで見ていた光景を自分が実際にピッチに立って経験することができて、実感がわいてきたというか、やっとそのピッチに立つことができたんだなと感じた」。そんな満田に対し、森保一監督からの指令はシンプル。0-0のまま時間が進んでいた中、勝ち越しゴールに向けて「思い切ってプレーして、シュートで攻撃を終わらせてこい」というものだった。

 中国戦前のトレーニングでも見せていたように、今季J1で5ゴール5アシストを記録している満田の武器はフィニッシュの質。「意識しているのは常にミートを強くできるようにということ。あと蹴り方や置き所で自分のいいところを探して、強いシュートを左右に打ち分けることを意識している」。そうした能力を見定められての指示だったと思われる。

 そうした言葉を受け、投入直後からギラギラとした雰囲気を漂わせ、次々とボールに食らいついていった満田。しかし、最後までゴールを破れそうなチャンスをつくることさえできなかった。「相手ディフェンスもゴール前を固めていて、シュートを打つことができなかったのでそこは自分自身の課題」。そう振り返った23歳は普段のチームとは違うポジションでの起用となったことも言い訳にしようとはしなかった。

「普段やっているポジションとは異なるポジション、フォーメーションなので難しさはあるけど、ポジションやフォーメーションが変わってもできる選手はできると思う。もっとサイドバックの選手とコミュニケーションを取って連係したり、FWの選手が動いたスペースに走り込むことができれば、自分にもチャンスがあったり、いい形でゴールに向かうことができたと思う。それに試合後に気づいたので試合中に気づければもっといいプレーが出せた」

 そうした真摯な洞察は、左右の役割分担への言及にも表れていた。「(監督から)明確に細かく役割を言われたわけではないけど、前半に森島選手も逆サイドのポジションをやっていたので、自分がインサイドハーフ気味に、サイドバックの選手を上がらせながら攻撃を組み立てて行ってほしいのかなという意図を汲み取りながらやっていた」。この日の前半は右にウインガーのFW宮市亮、左にプレーメーカーのMF森島司とタイプの違う両翼が並んでいた中、満田が出場した終盤は左サイドでウインガータイプのMF相馬勇紀がプレー。森島と共存した時間帯も含めると、前後半で何度も左右のポジション取りが変わっていた。

 短期決戦で複数の組み合わせが求められがちな代表チームでは、そうしたさまざまな選手との共存が必須能力。「代表チームにこれからも選ばれ続けるためにはもっと自分のプレーの幅、できるポジションを増やしていかないといけないと感じた」と振り返った満田はウイングでのプレーにも「伊東純也選手はアシストやゴールを残しているので不可能ではない」ときっぱり。「仕掛けることは相手の脅威になると思うので、仕掛けることを交えつつ、周りの選手とコンビネーションしながら中に侵入していければシュートを打つ回数も増える。そういった回数を増やしていきたい」とビジョンを語った。

 そんなさまざまな収穫を手に、最後に迎えるのは日韓戦。森保監督は香港戦メンバーを中心に臨むと明言しており、満田の起用は不透明だが、ひたむきに挑むつもりだ。「韓国のイメージは日本のライバルの国だなと思うし、すごくアグレッシブにきて、どの試合もバチバチな戦いになる。すごくレベルの高い戦いができるんじゃないかと思っている」。そう闘志を燃やした満田は「積極的に仕掛けて、シュートで終わって、それをゴールにつなげられたら」と代表初ゴールにも意欲を示した。

(取材・文 竹内達也)
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