[8.25 SBS杯第1節 U-18日本代表 1-0 U-18ウルグアイ代表 藤枝総合]

　SBSカップのU-18日本代表メンバーで唯一の高校2年生、GK中村圭佑(静岡学園高)が地元・静岡で結果を残した。

　年上の選手たちとの戦いについて、「基本的にサッカーに年齢は関係ないので、そこは気にしていないです。自分から積極的にコミュニケーションを取るようにしている」という守護神は、後方から声がけを続け、U-18ウルグアイ代表が繰り出すカウンター攻撃に対応した。

　試合は前半から日本がボールを保持する展開。ただし、「引っくり返されたりして、ごちゃごちゃしてやられたらもったいない。そこは一番怖かった」と集中力を切らさない。そして、後半26分に訪れた決定的なピンチを中村は阻止する。

　カウンターを受け、ゴール至近距離から打たれたシュートを足でファインセーブ。「ずっと『絶対にゼロ』でという気持ちがありました。結果的にセーブできて、そういう気持ちが(セーブに)繋がったのかなと思います」と微笑んだ。

　FC東京U-15むさしに所属していた中学2年時に海外遠征を経験しているが、代表チームの一員として国際大会を戦うのは今回が初めて。名門・静岡学園の2年生守護神としてU-18プレミアリーグなどで経験を重ね、昨年、今年と年代別日本代表候補に選出されている中村だが、さすがにこのウルグアイ戦前は緊張したという。

　その中で勝利、それも1-0で終えたことは自信に。一方で、本人は細かなミスがあったことを反省する。「ゼロに抑えたことは自信になったけれどミスもあったので、しっかり改善できれば自ずと良い選手になれると思う。明日も試合続きますし、極力ミスを減らして安定したGKになれるようにしたいです」と力を込めた。

　今月、大阪で開催されたユースワールドチャレンジ・プレ大会では神村学園高に0-7で大敗。高校年代を代表するストライカー、FW福田師王にハットトリックを許した。経験したことがないような大量失点での敗戦。この試合は注目守護神にとって、自らの姿勢、取り組みを見つめ直す良い機会になったようだ。

「あの試合であれが実力だと。福田師王とか、そういう選手を相手にすると、自分はあの程度なんだと思いました。ユースワールドチャレンジが終わってのこの大会だったので、強い気持ちで臨んでいます」。この日、ゴールを守り抜いたことでまた一つ成長。U-18日本代表で静岡のレジェンド、川口能活GKコーチから学べていることも糧に、常に安定した、また覇気を持ってチームを支える守護神へ成長する。

(取材・文　吉田太郎)