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高校屈指のテクニシャン、MF名願斗哉が“気持ち”で代表初ゴール。「まだまだやれる」ことを示す

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後半29分、。U-18日本代表MF名願斗哉(履正社高)が先制ゴール

[8.26 SBS杯第2節 U-18日本代表 1-1(PK3-4)静岡ユース 草薙陸]

 テクニカルなアタッカーが、“気持ち”で代表初ゴールを挙げた。U-18日本代表MF名願斗哉(履正社高)は2試合連続で先発出場。0-0の後半29分、右クロスのこぼれ球に反応する。DFが身体を投げ出すように防ごうとしていたが、「この大会で代表に呼ばれたのが初めてだったので、結果を残してやろうと思っていたので、そこは気持ちで決めた感じです」。しなやかな身のこなしとテクニックが魅力のアタッカーが“気持ち”で右足を振り切り、ゴールを破った。

 この日は前半にCKのこぼれを左足で狙い、後半にもシュートのこぼれ球から決定機を迎えた。だが、決めることができていなかっただけに、本人にとっても大きな1点。チームメートたちの下へ駆け寄り、代表初ゴールを全力で喜んだ。

 前日のU-18ウルグアイ戦では相手の様子を見ながら、強引な仕掛けにもチャレンジしていた。この日はより積極的な仕掛け。だが、静岡ユース右SB渡辺啓佳(清水ユース)のタイトな守りを受け、簡単には突破させてもらえなかった。それでも、前半には相手CBと入れ替わる形で抜け出してチャンスを創出。後半にもドリブルでマークを外して左SB石川晴大(清水ユース)の決定機を演出した。
 
 だが、名願は「警戒されている中でも自分はできないといけない。まだまだ自分の力が足りないと思う」と首を振る。そして、「もっとボールを受けれるし、もっとボール触れるし、もっと自分から仕掛けて行っても良いのかなと思います。ここ2試合、自分がドリブルで打開するシーンがあまりないので、そこは自分の良いところなので、そこを出せればなと思います」と力を込めた。

 本人には「まだまだやれるんじゃないかと思います。攻撃の部分でまだまだ違いを見せれるし、守備のところがまだ足りない」という思いがある。昨年から輝きを放ち始め、今年はU-17日本高校選抜で毎試合のようにドリブルで相手DF陣を攻略。まるで日本代表MF三笘薫のように、切り返しからの加速力とテクニックで幾度もDFを振り切ってきた。相手に身体を掴まれても、それを巧みに外して置き去りに。履正社高でも得点力を発揮する名願は、U-18世代を代表するアタッカーとして認められて今回、JAPANのユニフォームに袖を通した。

 SBSカップ残り1試合、またシーズン後半戦は「まだまだやれる」ことを証明する戦いとなる。開幕4日前に復帰したインターハイは神村学園高との大一番を制したものの、悔しい3回戦敗退。自身にはコンディションが悪くても活躍する力を求めている。「その中でやれれば、もっと冬にもやれると思う。自分の中でも、チームの中でも、日本一を獲るという目標があるので、そこへ向けて全力でやれればと思います」。まずはU-18日本代表の優勝の懸かるSBSカップ・U-18ウズベキスタン戦(28日)に集中。代表定着のためにもより自分の武器を発揮し、勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)

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