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ここから中東勢2連戦。U-19日本代表は世界大会見据えて「ゲームをコントロールする、一辺倒にならないようにする」

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「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選」(ラオス)を戦っているU-19日本代表は、12日にU-19ラオス代表、14日にU-19グアム代表を撃破。2連勝を飾った。中1日の連戦となるこの大会において、16日にはU-19パレスチナ代表との対戦を迎える。

 そのパレスチナ戦に向けたトレーニングが15日に行われた……ことはなく、グラウンドには出ないレベルの軽い調整のみで過ごし、回復を最優先に本格的な練習は回避することとなった。

「どこかでこういうリフレッシュの日は入れたいと思っていて、第1戦、そして昨夜の第2戦を観て、11人全員を入れ替えながら戦えたので、次から本当の山になってくるゲームが来るので、ここで(休みを)入れることにしまた」(冨樫剛一監督)

 酷暑の連戦、しかも慣れない土地での連戦による肉体的な消耗は小さなものではない。「ここまで来て何かトレーニングをすることで急に強くなるというものでもない」(冨樫監督)だけに、「100(%)には戻らないと思うけれど、少しでも良いパーセンテージまで持っていければということ」から、練習しないことを選んだ。

 次の相手は中東勢のパレスチナ。従来のレギュレーションでは1次予選は東西分割開催だったために対戦する機会自体があり得なかった相手だが、今大会からは1次予選から東西混在のグループ分けとなったため、同組での対戦となった。予選を突破するという意味では「厳しい変更」(冨樫監督)ではあるのは間違いないが、この時点で日本とは異なるサッカー文化、スタイルを持つ中東勢と肌を合わせることができるのはネガティブなことばかりでもない。

「縦に速くてカウンターが鋭い。コンパクトではない状態のサッカーからカウンターを喰らうというイメージはあります」(冨樫監督)

 東南アジアの気候にはここから当たるパレスチナがより苦戦している面もありそうだが、この試合を中1日で迎える日本に対し、パレスチナは「中3日」で準備期間があったというアドバンテージもある。冨樫監督も「日本が得意としない土壌で戦ってくるので、油断はならないと感じている」相手である。

 世界大会を意識した上で、冨樫監督が日本の課題として挙げるのは「ゲームをコントロールする、一辺倒にならないようにする」という部分だ。

「90分しっかりと戦いながら、どこへ着地していくか。相手の土俵に乗る時間が出てきたときにもどう対応するのか。あるいは自分たちのペースになったときも、変に攻め急がないで、相手を淡々と動かして隙を突くといった、一辺倒ではない戦い方がもっともっとできるようになればいいなと思っている。それができるのが、W杯優勝を軸に置いている国の選手たちだと思う」

 試合をコントロールして勝つべくして勝つような90分間を作り出せるか。16日のパレスチナ戦、そして最終戦となる18日のイエメン戦と中東勢相手の2連戦は、そんなテーマでの戦いとなりそうだ。

冨樫剛一監督は日本の課題として「ゲームをコントロールする、一辺倒にならないようにする」部分を挙げた

(取材・文 川端暁彦)
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