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「締めくくる試合に」(山根)。U-19日本代表が予選全勝突破へ最後の調整

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現地のスタッフに感謝の挨拶をしつつ、「日本チーム」全員で記念撮影

「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選」において、開幕から3連勝となったU-19日本代表が17日、現地での最後のトレーニングを実施した。

 18日のU-19イエメン代表との最終戦に向けたこの日の練習には、選手全員が参加。16日のU-19パレスチナ代表戦での出場時間に応じてメニューをこなす形で全体での練習は行わなかったが、冨樫剛一監督はあらためてトレーニング前に全員を集めて「最後に勝って1位通過する」ことの意義を強調。チームを引き締めた。

 トレーニングでは軽めの調整メニューを行う選手が多い中で、出場機会の少なかった選手がミニゲームを実施して熱い攻防を展開。内田篤人ロールモデルコーチが、速攻から華麗な足技でMF中村仁郎(G大阪)を抜き去ってのゴールを決めるなど大盛り上がりの攻防となった。

「こういう大会になると、出ている選手たちは当然キツいですし、出ていない選手たちのキツさもある。その上で、あらためて最終戦に向けて全員の力を結集して戦わないといけない。最終戦で負けて2位に落ちてしまったら、(他グループとの比較で予選突破に当たる)2位の上位5チームに入れるかは全くわからないわけですから」(冨樫監督)

 対戦相手のイエメンは前節でU-19グアム代表に10-1の圧勝しており、「中東らしい前の力強さ、スピード感があって、それはなかなか日本で感じられないものなので、ピッチに立ってから驚かないようにしておきたい相手」(冨樫監督)。ここまではほぼ完全なターンオーバーを重ねて試合をこなしてきた日本だが、このイエメン戦については、現状のベストオーダーで臨む考えも示唆した。

 一方、選手たちは連戦の疲労自体はありつつも、全体のムードは明るい。「明るい選手が多いし、すごく前向きにやれている」と言ったのは、MF北野颯太(C大阪)。3年前にはU-15日本代表の一員として「ラオスの1次予選」を戦い、そして「本当に良いプレーができなかった」という苦い思い出もあるが、今回はマインドから違う。

「暑さ含めて経験しているんで、ビックリしたりもしなかった。3年前にやったときは『芝が…』とか『暑いから…』とか言うてましたけど、いまは『そんなん関係ない』と思ってやれてるし、成長したのはありますね」(北野)

 ラオスとの初戦のキックオフ時間が30分後ろ倒しになったのは「さすがにビックリした」と笑いつつも、「何が起きても『これがアジアの戦いだ』と思ってやれているし、監督がずっと言ってきた『左右されないチームになろう』ということを皆がやれていると思う」と手応えを話す。この「左右されない」は、全員から共通して聞かれるワードだ。

 主将を任されているMF山根陸(横浜FM)は、あらためて最後の試合に向けての意気込みをこう語った。

「この4試合だけでなく、今年からずっと積み重ねてきているモノを出す試合にして、このアジア予選を締めくくればと思っている。スコアは何対何がいいとかではなく、自分たちはまず勝利を目指しつつ、その上でやりたいことや目指しているものも表現できる試合にできればいい」

 いざ、イエメンとの最終戦へ。異国での連戦で心身の疲労は溜まっているが、チームとしての蓄積も間違いなく生まれている。来年の最終予選、そしてU-20W杯へ繋がるようなゲームをして、この予選を締めくくる。


(取材・文 川端暁彦)
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