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「簡単じゃない」アジアでの戦い…イエメンに「ハマった」U-19日本代表、大苦戦も全勝で予選通過!!

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4試合連続完封勝利で予選を通過したU-19日本代表

[9.18 U20アジアカップ予選 U-19日本代表 1-0 U-19イエメン代表 ラオス]

 想定以上の大苦戦だった。「AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選」(ラオス)グループCにおいて3連勝を収めていたU-19日本代表は18日、U-19イエメン代表と対戦。前半はシュート0本に抑え込まれるなど苦戦を強いられた、がセットプレーから奪った虎の子の1点で、全勝での予選通過を果たした。

 AFC U20アジアカップは今大会から東西の垣根なく抽選が行われるようになり、西アジア勢ともこの段階から対戦することとなった。日本は前節に当たったパレスチナに続き、イエメンと対戦。2016年のAFC U-19選手権(現・AFC U20アジアカップ)の本大会でも対戦し、FW小川航基、MF堂安律らを擁したチームも前半無得点と苦戦を強いられた相手に、ここでも難しい試合を強いられることとなった。

 日本は引き分けでも1位通過が決まるシチュエーションだったこともあり、「しっかりリスク管理をしながら攻めに行く」(冨樫剛一監督)が試合に向けた一つのテーマだった。対するイエメンも引き分けであれば、グループ2位ながら(他グループとの比較で決まる)予選通過の可能性は高い状況である。互いにまず失点を避けるというマインドが強いゲームになるのは必然だった。

 その上でイエメンは、「しっかりこっちの対策をしてきていた」(MF山根陸=横浜FM)。ボールを左右に動かしながら、相手と相手の間でボールを受けたい日本に対してマンツーマンで対応する。

「インサイドハーフのところにもどこまでもマークがついてきて、どうやって攻略しようかというところで時間がかかって、チーム全体として焦ってしまった」(山根)

 山根とインサイドハーフでコンビを組んだMF佐野航大(岡山)も「だいぶやりづらかった。日本ではこういう戦術はないので」と振り返る。なかなか有効なボールを前線に入れられない中で、後方でのボールロストからカウンターを受ける場面も作られるなど、リズムも悪くなってしまった。

「相手のスローなペースに呑まれて、自分たちからリスクを抱えてカウンターも受けてしまい、ある意味でハマってしまっていた」(冨樫監督)

 前半はシュート0本に抑え込まれるなど厳しい内容となったが、後半は戦術的な修正に加えて相手に疲れが見えてきたこともあって、徐々に内容は改善。後半9分には佐野の技巧的FKがポストを直撃するこの試合最初の決定機も生まれた。さらに2トップへ切り替えて攻勢を強めた同33分には、交代出場で流れを引っ張る仕事をこなしたMF北野颯太(C大阪)が流れの中から初めてミドルシュートを放つなど、徐々に攻撃の形ができはじめる。

 そして迎えた後半39分だった。佐野のCKをニアで北野がヘッドでそらすと、ファーに待っていたFW坂本一彩(G大阪)が競ったボールが相手選手に当たってオウンゴール。泥臭い形ながら、ようやくゴールをこじ開けた日本が、待望の先制点を奪い取った。

 その後はイエメンの反撃を許さず、4試合連続となる完封勝利。「アジア予選は本当に簡単じゃない」(冨樫監督)ことをあらためて痛感させられるゲームで何とか白星を重ねた日本が、4戦全勝での1次予選突破を決めた。

(取材・文 川端暁彦)

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