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相馬勇紀「ここに選ばれるために闘志を燃やしてやってきた」E-1大活躍でカタール選考入り! 猛アピール再現なるか

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 EAFF E-1選手権で3ゴールの大活躍を見せたMF相馬勇紀(名古屋)が、カタールW杯直前の日本代表入りで闘志を燃やしている。2021年夏には東京五輪を経験したが、欧州組も含めたA代表はこれが初参加。「下から成り上がった組として、自分の良さを発揮して、チームに貢献できるプレーを意識していきたい」と力強く語った。

 相馬は19年12月、前々回のE-1選手権でA代表デビュー。その後は東京五輪世代の代表チームで主に活動してきたが、五輪後のA代表には入り込むことができなかった。その間、W杯最終予選では同世代のMF田中碧(デュッセルドルフ)、MF三笘薫(ブライトン)が華々しい活躍を披露し、本大会の出場権獲得に大きく貢献。後に続こうというモチベーションは大きかったという。

「一緒に戦っていた仲間が最終予選でW杯を決めている姿には、応援している気持ちと、自分もそこでやりたいという気持ちがあった。その時は、選ばれる結果を自分自身も出せていなかったけど、ここに選ばれるために闘志を燃やしてやってきた」

 そんな相馬は今年7月、再びE-1選手権でA代表に選出。国内組の攻撃を牽引し、3ゴールを挙げて大会得点王を受賞すると、今回のドイツ遠征への切符を掴み取った。「チャンスが目の前にあるのでそれを掴めるようにしたいし、チームはもうW杯に向かっているのでそこの両立をしっかりやっていきたい」。冷静に、それでも熱く。2か月後に迫る本大会へのサバイバルレースを前向きに走っている。

 現在の日本代表ではすでに三笘、MF伊東純也(スタッド・ランス)といったドリブラーが名を連ねるが、局面の突破力では相馬も負けてはいない。「一発は持っていると思っているし、特に初見の相手は瞬発力でほぼ確実に抜けると思っているので、一つ目のチャンスで仕留めるところは特に意識しながらやりたい」。警戒必至の両選手とは対照的に、国内組で情報の少ない自身の立場を逆手に取っていく構えだ。

 またE-1選手権の得点パターンにも表れているように、相馬の武器は決してドリブルだけではない。香港戦では直接FKを決めてプレースキック精度の高さを見せつけると、2点目は逆サイドからのクロスにニアサイドまで飛び込む形で奪取。また大一番となった韓国戦では166cmと小柄ながらも、ファーサイドに飛んできたクロスをヘディングシュートで押し込んだ。

 こうしたバリエーションの豊かさは、小さな身体でも世界レベルの戦いを意識し続け、積み上げてきた努力の賜物だ。

「今までは外で受けて仕掛けるところが多かった中、たとえば僕がニアサイドにまで入ってゴールを決めればマークは絶対につきにくい。相手がいくら身長が高くてもニアだったらボールを触れるし、相手が一瞬マークを離したスキの動き出しならヘディングでも身長差は関係なく決められる」

 苦手になりそうな局面にも自身の強みを落とし込むことで、いまでは「どこを相手にしても使える」と思えるほどに。加えて「守備のところでも自分は戦えると思っている」と相馬。名古屋でのウイングバック経験も糧にし、「たくさんボールを奪うところだったり、何人分も走るところをやっていきたい」と他のウインガーにはない武器も発揮しようとしている。

 もっとも、そうしたイメージを現実のものとするには、まずポジション争いで先行するライバルたちを押しのけ、ピッチに立つ必要がある。カタールW杯は2か月後に迫っており、練習で個人のアピールをするのは決して簡単ではない。相馬自身も「チームでやることをやるのは当たり前」と落ち着いた姿勢を強調する。

 それでも相馬は熱く言葉を続けた。

「普段ずっと入っている選手を脅かすためにも練習から全力でプレーして、特に結果が一番大事だと思うけど、守備のところでもアグレッシブにプレーし続けることが、いまの僕の立場を考えると自然とチームにいいモチベーションを還元できると思う。だから僕は噛みついていくというか、メンバー争いしながらもチームのために頑張る。それが自然とチームのためにつながってくると思う」

 その心がけは大活躍を果たしたE-1選手権の時と「全く一緒」。大逆転でのカタールW杯メンバー入りに向け、相馬勇紀は7月の成功体験を自信に変え、9月のドイツ遠征でその再現を果たすつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

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